ニュース
サル山で落ち葉のプール始めました
 └─2018/01/07

 井の頭自然文化園のサル山では2014年から毎年、「落ち葉のプール」を実施しています。2017年は10月末から始めているので、もうご覧になられた方もいるかもしれません。

 冬になると、アカゲザルたちは水をためたプールに入りません。そこで、水のかわりに落ち葉をため、中にえさとなる大麦をまきます。


 するとサルたちは、落ち葉の下に隠れてしまった大麦をそれぞれ自分の探しやすいスタイルで探して食べます。落ち葉を豪快にどかしたり、表面に落ちている大麦をちまちまと拾ったり、飼育係がまくときにこぼれ落ちる大麦を足もとで待ちかまえていたり……観察しているとサルたちの個性が垣間見えます。

 わざわざ、えさを探す時間をかけさせることには理由があります。本来、野生のサルは活動時間の多くをえさを探す時間にあてています。しかし、動物園では十分なえさが与えられるため、えさを探索する時間が少なくなります。その結果、余った時間で頻繁に毛づくろいをするようになることが多いようです。

 井の頭自然文化園のアカゲザルの中にも、毛づくろいをしすぎて毛が薄くなってしまった個体がいます。こうした行動を防ぎ、サルが本来もつ行動を引き出すため、落ち葉のプールに大麦をまき、採餌に時間をかけさせるのです。

 今回は2018年3月上旬まで落ち葉のプールをおこなう予定です。落ち葉のプールでえさを探すサルたちの個性的な行動を観察してみてください。新たなサルの魅力が見つかるかもしれません。

 大麦は「動物たちのえさの時間」にあわせて与えます。アカゲザルのえさの時間は15時15分からです。実施日はこちらのページでご確認ください。

〔井の頭自然文化園飼育展示係 森翔生〕

(2018年01月07日)


ページトップへ