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タンチョウが抱卵中です
 └─2016/04/22

 井の頭自然文化園水生物園のツル舎で飼育されているタンチョウが卵を2つ産み、抱卵を始めました。

 オスは上野動物園から、メスは大阪の天王寺動物園から、2014年2〜3月にかけて来園し、井の頭自然文化園でペアになりました。オスは来園当初からすぐメスに興味を持ち始め、約1か月のお見合いを経て同居を始めました。

 ペア形成した2014年は繁殖にはいたりませんでしたが、2年目の2015年には5月24日と27日に初めて産卵しました。タンチョウは通常1〜2個を産卵し、約1か月かけてオスとメスが交代で抱卵します。ツル舎ののペアも抱卵をしっかり交代でおこない、仲むつまじい姿を見せていました。

 ところが孵化予定日を迎えても、ひながかえりません。孵化予定日を過ぎた7月14日に卵を回収したところ、無精卵と判明しました。じつは交尾を確認できていなかったのです。残念な結果ですが、抱卵という一番重要な行動をとることはわかったので大きな収穫です。次の年への期待がもてました。

抱卵中
オスとメス

 2016年は3月末頃から巣材を集める営巣行動が見られ、4月16日に1つ産卵しました。昨年より1か月程早い産卵です。朝見回りにいくと、メスが座っていて、これはもしかして!?と期待に胸が踊りました。


座っているメス

 観察していると鳴き交わし始め、メスが立った際についに卵を確認しました。この日は一日中鳴き交わしていて、おたがいの仲を深めているようでした。次の日からは落ち着いて抱卵する姿が見られ、昨年と同じく3日後にもう1つ産卵しました。

1つめの卵を確認(2016年4月16日)
2つめの卵を確認(2016年4月19日)

 今年もオスとメスが交代でしっかり抱卵をしており、餌もよく食べています。昨年と違って、3月23日には交尾を確認しています。交尾が確認されているからといって孵化するとは限りませんが、無事の孵化を祈っています。

採食中
目隠しのためによしずを張ってある

 営巣場所前には、タンチョウが落ち着いて抱卵ができるよう目隠しのためによしずを張っています。見づらくて申しわけありませんが、ご了承ください。これから約1か月間抱卵が続きます。ぜひあたたかく見守ってください。

〔井の頭自然文化園水生物園飼育展示係 東條裕子〕

(2016年04月22日)


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