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「井の頭自然文化園で見つけたちいさないきものたち展」のいきものたち[2](※特設展は終了しました)
 └─2015/08/18

 ※「井の頭自然文化園で見つけたちいさないきものたち展」は終了しました

 2015年7月20日に資料館特設展コーナーにオープンした「井の頭自然文化園で見つけたちいさないきものたち展」。どんないきものたちがいるのか、2回に分けてご紹介しています。前回の記事はこちらです。今回も3種のいきものをピックアップしてご紹介します。

◎ナナフシモドキ

 ナナフシといえば、木の枝に「擬態」をすることで有名です。サクラやコナラなどについていると、まるで枝のように見え、なかなか見つけることができません。
 さて、みなさんが「ナナフシ」となにげなく呼んでいる写真の虫は、正式な名前を「ナナフシモドキ」といいます。七つもの節のある木の枝(ナナフシ)に似ている(モドキ)という意味といわれています。ナナフシという別のいきものに似ているという意味ではありません。
 展示ケースにはナナフシモドキの数が書いてあります。よく探して全部見つけてください。


ナナフシモドキ

◎キバラヘリカメムシ

 名前の通り、黄色い腹が特徴のカメムシです。靴下をはいているような、なかなかオシャレな姿をしています。カメムシといえば、触るとクサイにおいを放つイメージがあると思いますが、このカメムシのにおいは「刺激臭」ではなく、「甘い香り」(まるで青りんごのような?)がするので、ほんとうに驚きです。
 キバラヘリカメムシはニシキギ科の植物の実の汁を吸ってくらしています。園内ではマユミという木にいました。昆虫を探すときには、どんな種類の植物を食べるのかを調べると、目的の虫を見つけやすいかもしれません。現在、孵化した幼虫も展示しています。


左から:キバラヘリカメムシの幼虫、キバラヘリカメムシの成虫、マユミの実

◎ヒガシニホントカゲの幼体

 以前、関東にいるトカゲは「ニホントカゲ」といわれていましたが、近年の研究により、西日本のニホントカゲと東日本のヒガシニホントカゲに分けるようになりました。この時期、体長3〜4センチぐらいの小さい個体に遭遇することがあります。ちょうど、孵化の時期のようですね。
 特設展では幼体を展示しています。じつは、成体と幼体には大きな違いがあるのをごぞんじですか? 幼体は青い尾が特徴です。ほかにも、成体に比べると体は黄色みがかり、縦縞が入っていて、はっきりとした模様です。隣には同じトカゲのなかまのニホンカナヘビも展示しています。


ヒガシニホントカゲの幼体

 今回の特設展では、身近ないきものについて興味をもっていただくため、みなさんのまわりにくらしているいきものを展示しています。私自身もじっくり観察することで、新たな発見がたくさんありました。ぜひこの機会に新しい発見をしてみませんか?

 土曜日・日曜日には飼育・展示担当が見どころを紹介するガイドツアーを実施中です。ぜひご参加ください。「井の頭自然文化園で見つけたちいさないきものたち展」は2015年8月23日(日)まで開催しています。残り少ない期間ですが、みなさんの来園をお待ちしています。

〔井の頭自然文化園教育普及係 東條裕子〕

(2015年08月18日)


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