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いきもの広場で遊ぼう[20]アズマヒキガエル成長物語
 └─2015/06/12

 毎年2月末に産みつけられたアズマヒキガエルの卵は、4月初めに孵化し、たった1か月という驚きのスピードでカエルの姿へ成長します。そんなアズマヒキガエルの成長記録をお伝えします。

 
左:いきもの広場の池を泳ぐアズマヒキガエルのオタマジャクシたち(2015年4月10日撮影)
右:いきもの広場の池がお気に入りのカルガモのつがい

 まだまだ寒かった2月末、井の頭自然文化園「いきもの広場」の池にアズマヒキガエルの卵が産みつけられました(ニュース)。4月初めに孵ったたくさんのオタマジャクシたちは子どもたちに大人気。しかし、ちょうど繁殖シーズンのカルガモにとって、オタマジャクシは格好のえさになってしまいます。そこで私たちはオタマジャクシがカルガモに食べられないよう、いきもの広場での活動時間以外は、池に網をはる作業を続けました。

 
左:池全体を網で覆い、オタマジャクシを外敵から守る
右:上陸したてのアズマヒキガエルは指の先ほどの大きさ(2015年5月3日撮影)

 こうして網に守られ、スタッフにも見守られる中、オタマジャクシたちはぐんぐん成長し、4月末には手や足がはえたオタマジャクシが見られるようになりました。いよいよ池を離れ、陸に上がる段階です。そして5月3日のいきもの広場の活動の際、池のふちには小さいけれども立派に上陸を果たしたヒキガエルの姿がありました。

 アズマヒキガエルは陸に上がると池の近くの茂みや石の裏などに身をひそめ、ぐんぐん成長し、手のひらほどもある大きさのカエルになります。そこまで生き残れるカエルはわずかですが、数年後また池に卵を産み、オタマジャクシの成長を見せてほしいものです。

〔井の頭自然文化園教育普及係 阿部万純〕

(2015年06月12日)


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