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アムールヤマネコの出産、その後
 └─2014/04/25

 2014年3月17日に井の頭自然文化園で国内初の人工授精によりアムールヤマネコが出産したことにについてはお知らせしましたが、今回はその後の経過についてお伝えします。

「人工授精でアムールヤマネコが出産しました」(2014年04月10日)

 当初2頭の妊娠が確認されましたが、1頭は死産で1頭のみが分娩され、子はその後すくすくと成長しています。2対4個ある母ネコの乳首を独り占めしているからでしょうか、出生当初は体長15センチにも満たないほど小さかった子も、3月末には20センチ以上、そして1か月経過した4月17日には25センチ以上にまで大きく育ちました。

 この間に、ふわふわした毛玉のようだった体には、まず頭部にくっきりとしま模様が見られるようになり、その後徐々に体にも斑紋が認められました。
 また、生後2週目ほどでうっすらと瞼が開き始め、今では完全に開眼しているかわいらしい顔を見ることができます。

 一方母親のミズキは比較的大人しい個体だったのですが、子に対する愛情が非常に強く、少しの間を惜しんでは動きの活発になった子の相手をしたり、毛づくろいをしてやったりと熱心にケアしています。それに加え、慣れているはずの飼育担当者が給餌に入ると威嚇してくるなど、子を守るために必死なようすも伺えます。

 じつは、この原稿を書いている時点ではまだ誰も実際に子の姿を見ていません。すべて巣箱の上に設置した暗視カメラの映像をモニター越しに観察しているのです。そのため、まだ子の性別もわかっていません。私たちも早く性別や体重などを知りたいところですが、初回の予防接種を終える60日齢までは我慢しなければなりません。 

 そこで、日々育ってゆくようすをみなさんにも見ていただけるよう、ツシマヤマネコ展示施設前の大モニターにリアルタイムの映像を放映するようにしました。

 公開まではもう少し時間が必要ですが、それまではモニター映像で子ヤマネコの成長を見守っていただければと思います。

 なお公開は、2013年度末に改修整備したヤマネコ1号舎を予定しています。ここにはヤマネコのための運動タワーや、キャットウォークも備えてあり、子が遊びまわる姿をごらんいただけると思いますのであわせてご期待ください。

写真上:モニターに写った出産直後のアムールヤマネコの親子
写真中:モニターで見られる最近の子どものようす
写真下:改修整備したヤマネコ1号舎

〔井の頭自然文化園飼育展示係 山本藤生〕

(2014年04月25日)



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