井の頭自然文化園分園の景色を代表するものに、ラクウショウとメタセコイアの大木があります。これらの木は杉に近いなかまなのですが、秋になると紅葉し、葉を落とします。紅葉はきれいなのですが、大きい木がたくさん生えているので、落ちてくる葉の量も半端ではありません。この時期の“清掃担当者泣かせ”の木です。
いっしょにたくさん落ちてくる丸い実がラクウショウの実です。この時期にはラクウショウの実だけが落ちてきます。メタセコイアの実はまたその季節になったらご紹介しましょう。
ラクウショウの丸い実はたくさん落ちていて目立つので、よく小さいお子さんが面白がって拾っています。でも、お子さんといっしょの方はちょっとご注意を……。ラクウショウの実にはたくさんの油が含まれています。これが指にべったりつくのです。「拾うな」とは申しませんが、遊んでいるときとその後は注意して見てあげてください。また、ラクウショウの実は時間がたつと自然にばらばらに割れてしまいますので、持って帰ってもリースや飾りには使えないと思います。
この時期、水生物館のまわりの水路に油が浮いているときがあります。これは、水に落ちたラクウショウの実から油が流れ出ているのです。「油が投げ込まれている」わけではありません。お間違えなく。
写真上から:
・紅葉が始まったラクウショウとメタセコイア
(2009年11月撮影)
・枝に「すずなり」のラクウショウの実
・ラクウショウの実
・水生物館デッキ脇の水路。実から出た油が浮いている
〔井の頭自然文化園水生物館飼育展示係長 浅井ミノル〕
(2009年12月04日)
|