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ツシマヤマネコの近況
 └─井の頭  2008/05/30

 2008年2月22日から行われている特設展示「ヤマネコからの手紙」は、残すところ1か月弱となりました。その一角に名前募集コーナーが設けられ、飼育している4頭のうち、オスのエビゾウを除くオス1頭、メス2頭の名前を募集し、5月15日に締め切って、こちらのニュースでお知らせしたとおり名前が決定しました。

 公開展示をしているオスの「トラジロウ」は6歳になりました。2006年11月に来園したトラジロウは、当初収容した非公開施設では、人間が中に入るとかなり激しく威嚇してきました。しかし、現在のヤマネコ舎に移ってから、余裕も出たのか穏やかにくらしています。最初は寝室からの出入りに手間どりましたが、今では出入りもスムーズになり、午後になると前面に出てきて、室内に入る時間を待っています。

 メスのサクラは2歳です。2006年11月に来園し、非公開施設にいます。いち警戒心が強く、給餌のときもなかなか近寄ろうとしません。しかし、室内の台の上にいるときは落ち着き、人間が近くで掃除することもできます。

 オスの「エビゾウ」の誕生日は不明ですが、4歳と推定されます。2004年12月6日、上対馬町国道脇の水産加工場で、弱っているところを保護されました。当時は子どもと成獣のあいだの「亜成獣」と呼ばれる成長段階でした。当時、エビフライをもらって食べていたので、エビゾウと名づけられたのでした。来園したのは2007年10月で、現在、非公開施設にいます。性格は臆病で、人が近づくと「逃げ腰」になってしまいますが、餌の時間になると一番先に寄って来て待機し、肉の小片を隙間から入れてやるとのどを鳴らして食べています。

 メスの「リリー」は4歳です。2007年10月に来園し非公開施設にいます。4頭の中ではいちばん性格がきつく、台の上にいてもかなり強い威嚇行動を見せ、ときには近くにある木をガリガリと噛み始めるので、飼育担当者としてはとても気を使います。

 2008年5月から、ヤマネコ舎の前で NPO法人「どうぶつたちの病院」が、毎週日曜日の11時から15時まで青空市場を出しています。ヤマネコ関連グッズの販売をしていますので、ぜひご利用下さい。

写真上から:
トラジロウ
サクラ
エビゾウ
リリー

〔井の頭自然文化園飼育展示係 佐々木真一〕

・お知らせ「『ヤマネコからの手紙』開催中!

(2008年05月30日)



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