ニュース
多摩動物公園のサバンナにニューフェイス!
 └─多摩  2008/05/23

 多摩動物公園のサバンナ放飼場では、キリン、シロオリックス、シマウマをはじめ、ペリカン、ダチョウ、シュバシコウなど、さまざまな動物を見ることができます。2008年4月18日、シロオリックスの子が生まれました!

 父親はべジータ(12歳)、母親はクリーム(13歳)です。赤ちゃんはオス。私たち飼育係は、あれでもないこれでもないと悩んだ末に、「王冠」という意味の「クラウン」という名をつけました。なんだか偉そうな名前? いえいえ、大物になってくれることを期待しての名前です……というのは後づけで、じつは、母親「クリーム」の頭文字を引きついで名づけたのです。

 シロオリックスはワシントン条約附属書Iに記載されており、野生下では絶滅したと考えられている希少な動物ですが、当園では順調に繁殖しています。今回、またシロオリックスが増えたことはとても喜ばしいことです。

 おとなのシロオリックスは名前のとおり、ほぼ全身が白い体毛で覆われ、首から胸にかけて茶色の毛が生えています。おもに砂漠でくらしているシロオリックスは、直射日光から身を守るために白い体をしていると考えられています。しかし、子どもは白くありません。

 じつは、子どもの体色は保護色なのです。シロオリックスの親は子どもを残して餌を探しに出かけます。子どもにはおとなほどの体力が備わっておらず、砂漠の中で歩き回るのは命にかかわるのです。残された子どもは座ったまま、じっと親の帰りを待ちますが、茶色い体をしているおかげで、そのすがたは砂漠に溶け込み、捕食者に見つかりにくくなります。この体色は、生後3か月ほどでおとなと同じ色に変わります。多摩動物公園で昨年(2007年)12月に生まれたオスの「トランクス」は、すでにおとなと同じような体色になっています。

 現在、母親クリームと赤ちゃんクラウンの2頭は小放飼場にいます。小放飼場はお客さんにも見えるところにあるのですが、少々遠いので、双眼鏡などがあるとよく見えるでしょう。ちなみに、オリックスだけでなくほかの動物も双眼鏡で観察すると、色々な発見があるはずですよ!

 トランクスもクラウンの横の小放飼場にいます。比較してみると面白いはず。ぜひ、期間限定カラーのシロオリックスの子どもを見に来てください!

 ・トランクス誕生のニュース

〔多摩動物公園北園飼育展示係 山口翔平〕

(2008年05月23日)



ページトップへ