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イモリの産卵のようすが見られます
 └─井の頭 2008/03/28

 井の頭自然文化園の水生物館では、イモリ(アカハライモリ)を、ちょっと大きめの水槽で、ちょっと深めの水深で、新たに展示し始めました。小さな水槽で展示していたときと比べると、いつ見ても意外によく動いていて、さまざまな行動が見られて来館者にも好評です。じっくり覗いている方をしばしば見かけますし、「カワイイ」、「おもしろい」、「飼いたい」といった声が聞こえてきます。

 さて、オススメの見どころは産卵行動です。最近は毎日産卵しているようで、しかも日中の開館している時間帯に産卵しているので、水槽を気長に覗いていれば、その行動を目の前で見ることができるかも知れません。メスは、後肢で水草をはさんで押さえつけ、一輪車に乗っているような独特のポーズで、卵を一粒ずつ産みつけます。水槽の中の水草をよく見て下さい。卵をひとつ見つけると、たくさんあることがわかるでしょう。

 また、もうひとつの行動はピークを過ぎて少なくなってきたものの、いまでもときどき見ることができます。繁殖期を迎えたオスは、メスの前で鮮やかな青白い色が目立つ尾を「し」の字よりもさらに曲げて、細かくふるわせて求愛しています。

 イモリの繁殖期は、ふつう春から初夏にかけて数ヶ月は続きますが、水槽の中での産卵がいつまで続くかはわかりません。産卵のようすを見るなら今がチャンスです。

写真上:メスが卵を産む瞬間
写真下:水草に産みつけられた卵

〔水生物館飼育展示係 荒井寛〕

(2008年03月28日)



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