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大往生、シフゾウのおばあちゃん
 └─多摩  2007/12/28

 2007年12月21日午後3時30分ごろ、多摩動物公園のメスのシフゾウ「スマ」(22歳)が死亡しました。スマは1985年5月27日に神戸市立王子動物園で生まれ、1987年10月26日に多摩動物公園にやってきました。

 20年にもおよぶ多摩での生活のあいだには、他のシフゾウがつぎつぎと世代交代していきました。多くのオスとも出会い、とくに1994年に来園して現在も活躍中のおとなのオス「マック」は、スマのことが大好きで、いつも追いかけまわしていましたが、残念ながらスマは妊娠、出産を経験することはありませんでした。20歳を過ぎたころからは、さすがに元気がなくなり、他の個体とは別に1頭でのんびり暮らしていました。

 今年(2007年)の4月1日には食欲がなくなり、スマは一時動けなくなりましたが、治療のかいあって、4月11日には放飼場に出られるほど回復しました(写真上)。8月2日には、炎天下の放飼場で暑さのためか、ふたたび何も食べなくなりましたが、このときもその後の治療によって立ち直りました。

 9月以降は餌もよく食べるようになり順調なようすでしたが、12月20日の朝、突然起き上がれなくなりました。翌21日には暖房のきく部屋に移し、万全の治療体制でのぞみました(写真下)。同日午後、餌をそばに置いてやるとうれしそうに少しずつ口にしていたのですが、そのわずか約1時間後、眠るように死んでいるスマを確認しました。

 シフゾウが20年以上生き続けること自体が大変なことだといわれています。みなさま、永いあいだ、スマを見守っていただき、ありがとうございました。そして、22年ものあいだ生きてくれたスマおばあちゃん、ご苦労さまでした。

写真上:2007年4月23日、食欲もずいぶん回復し、放飼場に出たところ
写真下:2007年12月21日、治療中。少量ながら最後まで餌を食べていた

〔多摩動物公園南園飼育展示係 松本徹郎〕

(2007年12月28日)



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