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カツオライナー──マグロ類搬入
 └─葛西  2007/09/29

 2007年9月23日、葛西臨海水族園では秋のマグロ類の搬入をおこないました。この夏、カツオを中心に鹿児島県南さつま市笠沙で集めた約200グラムの魚を、現地の海上イケスで約1か月間水族園の職員が飼育し、500グラムていどにまでに成長させ、このたび水族園に運んだのです。

 今年の搬入が今までと違うのは、その輸送方法です。昨年までは、活魚船と呼ばれる魚類運搬専門の船で鹿児島から神奈川県三浦市三崎港まで3日かけて運び、水槽つきの大型トレーラーに積みかえて、水族園まで運んでいました。

 今年は輸送時間の短縮等考慮し、鹿児島から葛西臨海水族園まで、活魚輸送用の20tトレーラー(写真上)で高速道路1,500キロあまりを一気に輸送する試みです。

 今回は、カツオ90尾、クロマグロ3尾、ハガツオ1尾が搬入されました。では、魚たちがどうやって運ばれてきたかをご紹介しましょう。

 まず、海上のイケスを港の岸壁まで曳航して、横付けにします。魚を網で取り上げやすいように青いシートのなかに魚を追い込みます。ここで重要なのは、一度に多くの魚をシートに追い込まないことです。なぜなら、つねに泳いでいないと呼吸ができないマグロのなかまは、狭いところでは酸欠になりやすいからです。そして、シートに追い込んだ魚を柔らかい素材でできたタモ網ですくい取り、トレーラーの水槽に入れていきます(写真中上)。

 午前11時30分いよいよ出発です。もちろん私も同乗しました。約6時間で山口県の下関に到着。ここで水槽の水を換えました(写真中下)。海水汲み上げ用のホースを港の水深3メートルほどのところに沈め、新しい水を汲み上げる一方、古い水を捨てていきます。約1時間かけて換水終了。ここから一気に東京に向かいました。

 途中、2~3時間ごとに魚の状態と水質の検査をおこない、23日午前9時30分、鹿児島県南さつま市笠沙から22時間かけて水族園に到着しました。待ちかねていた職員一同、すみやかに搬入作業に取りかかり(写真下)、魚たちはあっという間にマグロ水槽の住人となりました。

〔葛西臨海水族園調査係長 池田正人〕

(2007年09月28日)



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