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ペンギンと目があってしまうかも!?
 ──葛西 2007/03/16

◎「ペンギンの生態」のアクリル板交換工事が完了しました

 葛西臨海水族園の「ペンギンの生態」は、フンボルトペンギンの生息地を模した岩山と、最大水深2メートル、約 420トンの汽水プールからなる生態展示施設です。国内最大級のフンボルトペンギン飼育施設として親しまれています。

 このプール側面の一部はアクリル板の窓になっていて、水中を飛ぶように泳ぐペンギンのすがたを観察できるようになっていますが、このアクリル板は、約17年前(1989年)の開園以来、一度も交換したことがありませんでした。細かな傷がたくさんついて見にくくなってきたため、このたび、大規模なアクリル板交換工事をおこないました。

 まずプールの水をすっかり抜き、クレーン車を使って古いアクリル板を搬出した後、新しいものを取りつけました。ただし、工事期間中、ペンギンたちはプールが使えません。そこで、ペンギンの健康を考え、工事の開始時期はペンギンが比較的すごしやすい気候の2月中旬としました。また、バックヤードに仮設プールを設置して、水浴びができるようにしました。

 ときどきペンギンにホースで水をかけてやりましたが、かれらはどうも水をかけられるのがお気に召さなかったようです。こちらがホースを構えると、背中をむけて去っていくペンギンたち……。その後ろ姿を見て、むなしく立ちつくす飼育係……という光景がしばしば見られました。

 ペンギンたちの期待にみちた熱い視線(?)の中、工事は順調に進み、2007年3月10日、無事展示を再開しました。今回のアクリル板は、見る側がまるで水中に踏み出したように感じられるステップインタイプで、水を得た魚のように泳ぐペンギンだけでなく、頭上に打ち寄せる波や、ペンギンの視線から見た水面や空もごらんになれます。

 また、アクリル板の透明度が高いので、水中のペンギンと目があって思わず「ドキッ」なんてこともあるかもしれません。あまりに熱心に観察しすぎてアクリル板と「ごっつんこ!」ということにならないよう、くれぐれも気をつけて(!)ペンギンの観察をお楽しみください。

〔葛西臨海水族園飼育展示係 山口香子〕

(2007年3月16日)



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