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すくすく育つニホンザルの「まりも」
 ──上野 2006/11/17

 上野動物園の子ども動物園で、スタッフみんなから温かいまなざしを一身に受けているのが、ニホンザルの「まりも」(メス)。今年(2006年)7月29日に上野動物園のサル山でうまれましたが、お母さんの「ペチョラ」が育てようとしなかったのです。見かねた担当者によって動物病院に運ばれたまりもは、人の手で育てられることになりました。当時のまりもは体重 380グラム(通常より100グラムほど少ない)、まだ胎盤がついたままでした。

 その後、そのまりもを子ども動物園で飼育することが決定。子ども動物園に移動する前に、私たちは毎日動物病院にかよい、哺乳の練習をしていましたが、正直、不安でいっぱいでした。

 まりもが子ども動物園にやってきたのは9月14日。生後47日、体重は 542グラムでした。でも、こちらの心配をよそに、初日からさっそくミルクをゴクゴクと飲んでくれたのです。

 そして現在、まりもはもうすぐ体重が1キロを超えそうなくらい大きくなりました。目につくものは何でも口に入れたり、無謀にも高いところからジャンプしたり……。とにかくすごくおてんばです。とはいっても、やっぱり子ザル。高いところからジャンプして顔を打ったり、高いところから降りられなくなったり、担当者のすがたが見えなくなると、「キュルルル」と鳴きながら、ウルウルした瞳で抱っこをせがんできたりします。高いところからジャンプするたび、「ねぇ~今の見た?」といわんばかりに、毎回毎回、ひざの上に乗って報告しにきます。私たちもまりもが本当の子どものようで、かわいくてかわいくて仕方がありません。

 でも、かわいいからといってなんでも許されるわけではありません。私たちはまりもが悪いことをしたとき(机や人の頭に乗ったりしたとき)、ちゃんと目と目を合わせて怒ります。まりもは最近、やってよいことと悪いことがわかってきているようですが、怒られるとわかっていても、やってしまうのが子どもですよね? 怒られるとすぐ担当者の足や腕にしがみつき、「ごめんなさい」と反省した態度を見せるのですが、またやる→怒られる→反省する──このくりかえしです。

 まりもは、子ども動物園にある「なかよし広場」内、事務所左横の人工哺育室「すくすくルーム」でごらんになれます。公開時間は午前9時30分から11時30分ごろまで。担当者しか知らないプチ情報「今日のまりも」も毎日更新して、すくすくルームの前に掲示しています。

 現在、哺乳時間は午前7時半、午後1時半、午後5時半ごろの1日3回です。今後は、ミルクを飲んでいるところをお見せしたり、午後の時間帯にもみなさんの前にすがたをお見せしたりできるよう、まりもともども、がんばります! ぜひ、まりものウルウルお目々に癒されてください。

*なお、「すくすくルーム」で以前飼育していたハムスターは、現在、ウサギ・モルモット舎横の小窓からごらんになれます。

〔上野動物園子ども動物園 井上真弓〕

写真上:まりも、生後1か月(2006年8月29日)
写真中:午後5時半、ミルクをもらうまりも(2006年11月16日)
写真下:「すくすくルーム」

(2006年11月17日)



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