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しのぶ、運命の体重測定!──上野 2006/06/02
 上野動物園の子ども動物園でダイエットにはげむミゼットホースの「しのぶ」。「しのぶの減量大作戦」は、メールマガジンNo.267や、2006年5月5日のニュースでおつたえしました。

 さて、とうとう1回目の体重測定の日がやってきました! しのぶはこの1か月間、雨の日も風の日も、休むことなく毎日走りつづけました。どんなに気乗りがしていなさそうな日でも、イヤイヤながら走りました。運動の時間を察知して逃げ出したしのぶを、わたしたちはどこまででも追いかけ、なんとかなだめながら走らせたのです。

 そんな汗と努力が実を結んだのか、「しのぶちゃん、やせたね」と声をかけられるようになりました。たしかに最近、おなかやおしりが小さくなったような気もします。また、しのぶが部屋から出るとき、部屋へ帰るとき、そして運動するときに顔につける「頭絡」(とうらく)も、止め穴二つ分小さくして締めるようになりました。これは顔もやせたということです!

たしかな手ごたえを胸に、2006年5月15日、私たちは体重測定当日をむかえました。午前中、しのぶはいつもの運動メニューをしっかりこなし、いざ体重測定!! 約1か月前の4月には 117キロでしたが、今回は……。

 体重計の表示板にあらわれた数字はなんと111キロ! 一瞬の静寂ののち、私たちは思わず歓喜の声をあげてしまいました。1か月で6キロもやせたのです! 興奮している私たちを尻目に、「体重計に乗ったんだから、何かちょうだい」とかなり他人事顔のしのぶ。とにかく、今後も目標体重まで私たちはがんばります!

 子ども動物園には、「トウキ」というミゼットホースもいます。太っているわけではありませんが、しのぶと同様、毎日歩かせてみました。すると1か月で5キロ減。しのぶもトウキも、ふだん動いてなかった証拠ですね。

 5月29日の休園日には、馬たちの削蹄(さくてい:爪きり)をおこないました。馬は私たち人間と同様、爪、つまり「ひづめ」が伸びつづけます。そこで、1月に1回、ひづめ削りのプロである「削蹄師」さんにお願いして、爪を切ってもらっています。

 今回削蹄してもらったのは、ミゼットホースのしのぶ、トウキ、そしてロバのリリー。削蹄師さんは馬たちの歩き方や健康状態を見てから、熟練の技を駆使して、馬それぞれにあった爪のかたちに整えていきます。

 しかし減量大作戦同様、馬たちは人間の気持ちなんておかまいなし。途中で削蹄にあきてしまったり、いやがったり、とにかくじっとしていません。そこで削蹄師さんの必殺技「ニンジン」で気をひきつけておきます。「ニンジンおいし~♪」と思っているうちに、爪もすっきり。体重も減り、爪もきれいになって、すっかりごきげんです。

 削蹄は1頭約20~30分。毎月最後の休園日におこなっています。残念ながらみなさんにお見せすることはできませんが、すっきりしたひづめで軽快に動く馬たちのすがたをごらんください!

〔上野動物園子ども動物園 井上真弓・川崎繭〕

(2006年6月2日)



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