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コアホウドリの放鳥──葛西 2006/01/20
 先日、葛西臨海水族園前の西なぎさから、コアホウドリという鳥を東京湾に放しました。この鳥は2006年1月9日、水族園の近くの道路上で動けなくなっていたところを保護された個体です(写真上)。

 本来、アホウドリのなかまは、陸から遠く離れた外洋を飛び回って生活しています。しかし、強い低気圧が通りすぎた後などに、まれに町中で見つかることがあります。強い風に飛ばされて来てしまうのでしょう。1999年1月にも、水族園に運び込まれたことがあります。

 今回のコアホウドリは、検査の結果、そのまま放しても問題ないということで、水族園前から放鳥することにしました。放すとしばらく海面に浮いていましたが(写真中)、元気に沖へと飛び立っていきました。

 アホウドリのなかまは、繁殖期以外は陸地に上がらず、一生の大部分を海上で過ごします。餌を探すために広い範囲を飛び回らなければならないため、効率よく長い距離を飛ぶことができる、グライダーのような細長い翼をもっています。海上に吹く風をたくみに利用して、この翼をほとんど羽ばたかせることなく、とても優雅に空を飛ぶのです。

 生物は自分の生活する環境に合った、効率のよい体の構造を持っています。水族園では残念ながらアホウドリのなかまは展示していませんが、同じく海を生活の場所としているエトピリカとウミガラス、そして3種類のペンギンを展示しています。これらの鳥たちはどのような体の構造をもっているのでしょうか? 葛西臨海水族園で確かめてみましょう。
〔葛西臨海水族園飼育係 三森亮介〕

・写真上:保護されたコアホウドリ
・写真中:放された後もしばらく西なぎさ沖に浮かんでいた
・写真下:外洋を飛翔するクロアシアホウドリと海面に浮かぶアホウドリ



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