昨日（2005年６月２日）、多摩動物公園のオランウータンたちがついに空中散歩に成功！　２日の夕方、さっそく東京ズーネットのニュースページに速報を掲載しました。

　速報後のようすを担当の黒鳥英俊職員に聞きました。以下にくわしくご報告。

●2005年６月２日（木）

　初日の６月２日、飛び地に移った３頭は楽しげで、あたりを探検し、葉っぱを食べたり、高いところにのぼったり。午後２時半ごろに雨が降り出したので、餌を使って呼んでみたものの、戻って来ず。とくにジプシーは飛び地が気に入ったようです。結局、飛び地内にある寝室に収容しました。

　この日、タワーや飛び地に餌を置いたわけではありません。それでも、飛び地まで行ってくれました。驚くべきは、飛び地に第３着で到達したジプシーが、飛び地の中の高さ約20メートルもある木にスルスルと登っていったことです。高齢個体にこんなことができるとは！　しかも、オランウータンのこんな行動が見られる施設は、世界的にも例がないはず。他の２頭もよく木に登っていました。

●2005年６月３日（金）

　さて、飛び地の寝室で休んだ３頭は午前９時45分に外に出ました。３頭とも楽しそうなようすで、チャッピーはよく葉っぱを食べ、ポピーは小さい木に登ったり、ぶらさがったり。また、昨日高い木にのぼったジプシーは、今日は疲れたのか、地面で穴を掘ったり、草を食べたり、のんびりと過ごしました。

　午後２時半ごろ、ポピーが第３タワーまで戻りましたが、チャッピーやジプシーが戻ってこないので、飛び地に引き返してしまいました。

　午後５時すぎ、餌でポピーを誘導。ポピーのことを心配しているらしい母親のチャッピーは、ポピーを追うかたちで戻り、最終的に部屋に戻りました。ところが、ジプシーは飛び地から戻らず、連泊となりました。１頭では、ちょっと不安かもしれませんね。

　この２日間で、ポピーとチャッピーはタワーにのぼるのが上手になりました。ロープを渡るスピードも、歩くのとほとんど変わりません。とくにポピーは、高いロープの上でもかなり自由な動きを見せてくれるまでになりました。

　今後、他の個体にも期待が高まります！

・写真上：ポピー
・写真下：ロープを渡るチャッピー（左）と、飛び地のタワーにのぼるジプシー
（いずれも2005年６月４日撮影）

（2005年６月３日。写真は６月４日更新）