今日(2005年4月15日)、小宮園長が動物園の裏門近くで「ほら、あれあれ!」と指さすので、何かめずらしい鳥でも来たのかと見ると、それはスダジイの木に“合体”したサクラの木でした。
この木が生えているのはお客さんの入れない裏側。おそらく、鳥がサクランボを食べ、その鳥の糞がスダジイの木に落ちたのでしょう。サクラはスダジイの上で生長し、今では地中に根をおろしています。見た目では、サクラの幹はスダジイの幹にかこまれ、両者は途中から左右にわかれています。
サクラはどうやらオオシマザクラといういうよりも、オオシマザクラ系のサクラ(サクラは交雑が多いのです)。東京動物園協会の事務所から見ると、奥には常緑樹であるスダジイの緑。手前には満開をすぎて散りつつあるサクラの花。
園内では、「ああ、“シイザクラ”ね」と言われるほど、一部では以前から知られた存在でしたが、自分は園長の指摘で初めて知りましたー。
園長とごいっしょだった新聞記者の方はこれを気に入り、さっそく取りあげられたようですので、すでに金曜日の夕刊でごらんになった方もいらっしゃるでしょう。スダジイとサクラのこのような組み合わせは、たしかにめずらしいことではあります。
写真は、上方に伸びているのがサクラ(じつは手前方向に伸びています)、低めのところから左手に伸びている暗緑色の部分がスダジイです。
・ちなみに和歌山県那智勝浦町ではマツの木にサクラが宿り木。
紀伊民報AGARAニュース2005年4月14日
(2005年4月15日)