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2種類のトカゲ?
 └─上野  2014/06/06

 関東近辺には、全身が茶色のヒガシニホントカゲというトカゲが生息しています。しかしその中には、体が黒く尾が青色をしている個体も見られます。茶色いほうが成体(おとな)、尾が青いほうが幼体(子ども)なのですが、成体と幼体で体の色が違うので、別の種類のトカゲと間違われることも多いようです。

 いったいなぜ、成体と幼体で体の色が違うのでしょう。

 トカゲは外敵に襲われたとき自分で尾を切ります(自切)。切れた尾はしばらくの間クネクネと動き続け、外敵が動く尾に気をとられている隙に本体は逃げてしまいます。つまり切れた尾がおとりの役割をするのです。

 幼体はまだ動きも遅く、外敵から逃げる力も弱いので、自切後もより目立つ青い尾で外敵の注意を集め、逃げられる確率を上げているといわれています。

 上野動物園両生爬虫類館(ビバリウム)では、飼育していたヒガシニホントカゲが2014年4月26日に6つの卵を産卵。5月19日にそのうちの2卵が孵化したので、館内の「日本の両生類・爬虫類」展示場で5月26日から幼体を展示し始めました。

 成体のヒガシニホントカゲ展示水槽の中に、幼体を入れた小さな水槽を設置してあります。ヒガシニホントカゲの成体と幼体の体色の違いを、ぜひ実際に比べてみてください。

写真上:ヒガシニホントカゲの成体
写真下:尾が青い幼体

〔上野動物園両生は虫類館飼育展示係 澤田大地〕

(2014年06月06日)



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