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フラミンゴ舎に新しい仲間
 └─上野  2014/05/30

 上野動物園西園フラミンゴ舎では、2014年もいくつかのペアが土をかき集め、産卵のための巣作りを始めました。本格的な繁殖期に突入し、ますます賑やかになっていくフラミンゴ舎に、先日新しい仲間が加わりましたのでご紹介します。

 40羽の群れの中で一際体が小さく、ほんのりと薄いピンク色をしたベニイロフラミンゴが3羽います。この3羽は昨年孵化した個体で、飼育係員によって育てられました。

 例年フラミンゴ舎では数羽のひなが誕生し、展示場で子育てのようすやひなの成長をごらんいただいていますが、昨年はひなに対するヘビやネズミの害が発生したため、飼育係員がひなを育てることにしました。上野動物園では5年ぶりのフラミンゴの人工育雛です。

 フラミンゴは授乳をして子育てをする鳥です。授乳といっても哺乳類のように乳首があるわけではなく、親鳥が喉の奥にある素嚢という器官からフラミンゴミルクと呼ばれる液体を分泌し、これをひなに口移しで与えます。人工育雛では、ネコ用のミルクを針のない注射器を使って与えました。

 まだ体の小ささが目立ちますが、すくすくと育ち、成鳥と同様にペレットを食べるようになりました。また、5月に入り気候が落ち着き環境も整ったので、このたびの展示場デビューとなりました。

 人工育雛で育ったため、人に対しての警戒心が薄く展示場に飼育係員が入っても慌てることなく、ゆっくりと群れの大人たちについていきます。ときどき群れの動きに追いつけていないようすも見かけますが、マイペースな3羽の成長をこれからも見守っていきたいと思います。

 ちなみにこれら3羽の足には、名札代わりに数字のついた赤いリング(30、42、58)をつけています。フラミンゴ舎に立ち寄った際にはぜひご確認ください。

写真上:人工育雛で育った3羽(足環の赤30、42、58)
写真下:育雛のようす

〔上野動物園西園飼育展示係 山岸まゆみ〕

(2014年05月30日)



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