ニュース
ガイアナカイマントカゲを展示しました
 └─上野  2014/01/24

 上野動物園両生爬虫類館では、ガイアナカイマントカゲの展示を開始しました。このトカゲは2012年3月から12月まで特設展示場で展示していましたが、このたび常設展示として広い展示槽でごらんいただけるようになりました。

 ガイアナカイマントカゲの生息地は南米大陸北部のブラジル、コロンビア、エクアドル、ペルー、そしてギアナ地域と呼ばれる複数の国々にわたっています。

 展示個体は全長40センチくらいですが、最大では120センチ、体重は4キロを越えるほどまで成長します。

 自然の生息地では熱帯雨林下の湿地や川、湖沼など暖かく湿潤なところを好み、長くて平たい尻尾で上手に泳ぐことができるなど、水中での生活にも適した体の構造をしています。

 餌は、トカゲ類の中ではちょっと変わっていて淡水産の巻貝、二枚貝、魚、ザリガニなどですが、何といっても巻貝が一番の好物です。しかし、南米の巻貝は手に入らないので冷凍のタニシを解凍して与えています。食べるときは巻貝を奥歯で噛み割ったあと殻を出し、貝の身だけを上手に飲み込みます。

・東京ズーネット動画「貝を食べるガイアナカイマントカゲ」(2012年02月25日撮影)

 常設展示の水槽には、さまざまな生態を見ていただくための工夫を施しました。来園者が観覧する表側に水の溜まる部分があり、アクリルガラス越しにトカゲが水中に入ったときの姿を見ることができます。展示槽の奥側には土を入れ、陸地でのようすも見ることができます。さらに、樹木を水中から奥に向かって立てかけてあるので、水中から登ってくるところも見られるようにしました。また、は虫類は自分では体温を維持できないので、バスキング(日向ぼっこ)などで体を温める必要がありますが、この水槽では太陽光のように熱を出すランプを右上から当てるようにしました。こうしておけば、好きなときに陸に上がって体を温めることができます。

 カイマンという名前がついているのは、中南米に棲むワニのなかま「カイマン」に、このトカゲの見た目が似ているのでこう呼ばれているようです。実際、ある程度成長したこのトカゲが水面付近を泳いでいると、ワニと間違えそうになります。自らをワニに似せ、外敵から身を守るための工夫ではないかともいわれています。

 よく見るとなかなかかわいい顔のこのトカゲを、ぜひごらんください。

〔上野動物園両生は虫類館飼育展示係 江川紳一郎〕

(2014年01月24日)



ページトップへ