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7年ぶりのマーラの誕生
 └─井の頭 2013/11/22

 井の頭自然文化園では、現在オス1頭、メス4頭の群れでマーラを飼育していますが、7年ぶりに子どもが生まれました。母親は、ほかのマーラよりも白っぽい体色をした「シロチャン」という個体です。

 2013年11月13日の昼ごろ放飼場で出産しましたが、寒さのためか生まれたばかりの子どもは元気がなくぐったりしていたので、急きょ母親と離し、動物病院に入院させました。室内で保温したところ、夕方には飛び跳ねることができるほどに回復し、みなを驚かせました。

 翌日、7歳で初産のシロチャンがちゃんと子育てできるだろうかとドキドキしながら、子どもを母親に戻しました。親子とも落ち着かないようすでウロウロ動き回り、子どもがおっぱいをさぐろうとすると母親は飛びのいてしまいうまく授乳できません。子どもはずっとピーピー鳴き続けています。

 「母親に鎮静剤を打っておとなしくさせ、子どもに乳首をくわえさせよう」と獣医と相談がまとまり、1時間ほどしてマーラ舎に行くと子どもの鳴き声が聞こえません。心配になり寝小屋をのぞきこんでみると、シロチャンが敷き藁の上で横になって授乳している姿が確認でき、ほっと胸をなでおろしました。

 生後3日間は寝部屋に親子を隔離して公開しましたが、今は群れと一緒に放飼場にも出られるようになりました。ほかのマーラたちも興味深々で、しばらくは代わる代わる子どものにおいをかいだりしていましたが、どうやら仲間として受け入れてたようです。

 モルモットに近いげっ歯類のマーラは成長が驚くほど早く、あっという間におとなと同じ姿になってしまいます。ぜひ1日でも早く、あどけないしぐさの可愛らしい子どものマーラに会いに来てください。

写真上:生まれた直後のマーラの子ども
写真中:入院中
写真下:お乳が飲めるようになりました

〔井の頭自然文化園飼育展示係 高松美香子〕

(2013年11月22日)



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