井の頭自然文化園の奥まったところに和鳥舎があり、小鳥たちがくらしています。その4号室にいるホオジロのペアが繁殖しました。
いわゆる和鳥といわれる鳥は繁殖が難しく、当園でのホオジロの繁殖は、おそらく初めてではないかと思います。
2013年8月に入ってから巣作りを始め、8月7日に卵を3個確認しました。メスが抱卵を続ける中、17日にひなが1羽孵化。翌日もう1羽孵化したのですが、残念ながら死亡してしまい、3個目の卵は孵りませんでした。
野生では親鳥がさまざまな昆虫やクモなどをひなに与えます。動物園では、コオロギやブドウ虫(ガの幼虫)を用意しましたが、なるべくいろいろなものを与えて親に選ばせたいと思い、園内でバッタなどを採集しました。ちょうど夏休みの真最中で、虫かごをもって虫採り網を振っていると、いつの間にか子どもたちに囲まれていました。「このバッタあげる!」と手伝ってくれる子も多く、そのおかげかホオジロのひなは順調に成長し、8月30日に無事巣立ちました。しかし、まだ上手に飛ぶことができずに地面にペタンと座っている状態で、餌も親鳥からもらっていました。
9月現在は、だいぶ飛べるようになりました。親鳥は子育てが終わり、2回目の産卵もしっかりと抱いていましたが、9月18日に1羽が孵化しました。ただ最初のひなは、いまだに餌をねだっています。
写真上:ホオジロのひな(9月7日撮影)
写真下:2回目の産卵(9月12日撮影)
〔井の頭自然文化園飼育展示係 佐々木真己〕
(2013年09月27日)
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