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繁殖棟で子リスが18頭育ちました
 └─井の頭 2013/09/06

 井の頭自然文化園には、ニホンリスを目の前で観察できるウォークスルー型の展示施設「リスの小径」の奥に、ニホンリスを繁殖させるための施設があります。2棟あるうち、2階建てを「繁殖棟A」、3階建てを「繁殖棟B」とよんでいます。それぞれワンフロアに5部屋、合計25もの区切られた部屋があるリスの集合住宅です。

 「リスの小径」でも、毎年繁殖していて、年1回、全頭を捕獲したときに、個体識別用のマイクロチップが入っていない個体をその年生まれの子とみなして登録しますが、父母がだれかはわかりません。

 そこで繁殖棟では、戸籍のはっきりしたオスとメスをペアリングして計画的に繁殖させているのです。 

 今季は16ペアのうち、5ペアに子どもが誕生し、計18頭の子リスが育ちました。現在、今シーズン最後の子リスが巣箱から出て活動を始めています。

 動物園で飼育する動物は、むやみに野生から捕獲するのではなく、なるべく動物園内で繁殖させていく必要があります。ニホンリスも例外ではなく、そのためには、なるべく遺伝的な多様性を保ちながら計画的に繁殖を続けていかなければなりません。

 みなさんに子リスの愛らしい姿を間近でお見せできないのは残念ですが、繁殖棟ではこのように、命をつなぐための取り組みをおこなっているのです。

写真上:乳頭が目立つメス親
写真中:巣箱から顔を出した子リス
写真下:3階建てのニホンリス繁殖棟B

〔井の頭自然文化園飼育展示係 高松美香子〕

(2013年09月06日)



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