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巨大なブルーチークバタフライフィッシュ登場(→大型個体の展示は中止しました)
 └─葛西  2013/08/30

(2013年9月20日追記:下記の記事でご紹介したブルーチークバタフライフィッシュの大型個体は、体調変化により展示を中止しました。)

 葛西臨海水族園の世界の海エリア「紅海」水槽で大型のブルーチークバタフライフィッシュ(チョウチョウウオ科)を展示しました。水族園では以前から本種を1匹展示していましたが、今回新たに登場した個体は全長25センチ、ブルーチークバタフライフィッシュとしては最大級です。 

 ただし、展示にいたるまでにはちょっとした苦労がありました。当初、この個体は90センチ水槽に1匹だけで飼育していました。チョウチョウウオ科の魚は縄張り意識が強いことが多いので、ほかの魚とケンカさせないためです。ところが、小さく切ったゴカイなどを与えても、口に含んだかと思うとプッと吐き出してしまい、ほとんど食べようとしません。食べそうで食べない状態が2か月も続きました。

 これではダメだと考え、すでに餌に慣れたほかの魚と同居させてみることにしました。つられて餌を食べることがあるからです。その一方で、ケンカするのではないかという不安もありました。

 まず全長17センチのレッドシーラクーンバタフライフィッシュ(同じくチョウチョウウオ科)を入れてみたところ、心配したとおり、ブルーチークバタフライフィッシュは追いかけ回すばかりで餌どころではありません。2匹とも背びれをピンと立てて、緊張しどうしです。

 そこで、同じレッドシーラクーンバタフライフィッシュでも10センチ程度の小さい個体に替えたところ、うまくいきました。魚にも相性があるようです。同居開始3日後、ついに餌を食べ始めました。一度食べ始めると食欲はどんどん上がり、2匹で奪い合うように餌を食べるようになりました。

 そしてとうとう展示水槽デビューの日がやってきました。水槽にはなわばり意識の強いイエローバーエンゼルフィッシュや、アラビアンエンゼルフィッシュがいます。ケンカしないか、ドキドキしながら見守りましたが、体が大きいこともあって激しい攻撃も受けず、なんとか水槽の魚たちに受け入れられたようです。水槽にいる個体とペアになることを期待しているのですが、どうなることでしょうか。

 やっと展示できた、見ごたえのある鮮やかなブルーチークバタフライフィッシュをぜひ見に来てください。

〔葛西臨海水族園飼育展示係 堀田桃子〕

(2013年08月30日)
(2013年09月20日追記)



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