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昼夜逆転のコウモリ
 └─上野  2013/08/08

 上野動物園東園の「夜の森」と西園の小獣館地階では、昼夜を逆転させて夜行性動物を飼育しています。昼間は室内を真っ暗にして動物たちに「夜」だと思わせ、夕方になるとライトをつけて「昼」にするのです。

 夜行性の動物といえば、なんといってもコウモリ。「夜の森」にはデマレルーセットオオコウモリ49頭、小獣館地階にはセバタンビヘラコウモリ27頭がいます(2013年6月末日の頭数)。ふだん、動物園の開園時間中は「夜」なのでコウモリたちは元気に飛び回っていますが、屋外に本当の夜がおとずれる頃、室内にはライトを点灯し、人工的な「昼」を作り出すと、コウモリたちは安心できる場所でぶら下がって眠りにつきます。

 セバタンビヘラコウモリはお客さんから見える枝で休みますが、デマレルーセットオオコウモリは天井の一角、ちょうど見えない位置に密集し、ぶら下がって眠ります。さっきまで暗い中たくさんのコウモリが飛んでいたのに、明るくなると「何もいない空間」になってしまうのです。

 ふだんみなさんにはお見せしていない「昼」のコウモリの姿を、2013年8月10日から始まる「真夏の夜の動物園」の期間中は特別にご覧になれます。夜の森も小獣館地階も、19時頃からライトを徐々に明るくし、完全に「昼」になるのは21時。「真夏の夜の動物園」の期間、動物園は20時まで開園しますが、夜の森も小獣館も展示は19時30分まで。ライト点灯の前後、「夜」のコウモリと「昼」のコウモリを見比べることができるのは、この時期のわずか1時間ほどだけです。

 「真夏の夜の動物園」は、2013年8月10日(土)から18日(日)までの9日間。イベント期間中、18時30分から不忍池で野生のアブラコウモリ観察会も開催します。コウモリ好きのみなさま、ぜひお越しください(アブラコウモリ観察会は、雨天時には中止いたします)。


写真上 明るいなか、枝にぶら下がって眠るセバタンビヘラコウモリ
  中 「昼」になったデマレルーセットオオコウモリ舎
  下 明るくなった「夜の森」で顔を出したベンガルヤマネコ

〔上野動物園教育普及係 井内岳志〕

(2013年08月08日)





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