井の頭自然文化園では、暑い夏ならではの昆虫「カブトムシ」の展示を始めました。動物園の正門を入って一番最初に見えてくるケージで展示しています。(2013年の展示は、9月1日をもって終了)
ふだん井の頭に来園されてもカブトムシを見かけることはなかなかないと思いますが、展示しているカブトムシはすべて園内で捕獲したものです。
カブトムシは夜行性で、主に夜中から朝方に活動します。そして日中は地面の落ち葉や朽木の下に隠れているので、あまり目に付くことはありません。ではどうやって捕まえたのでしょうか?
じつは、捕獲の際にはバナナトラップという罠を使いました。カブトムシが木の樹液を餌とする生態を利用したものです。
材料はバナナ、焼酎、黒糖(砂糖)、酢、重曹を使います。作り方は簡単。すべての材料がぐちゃぐちゃになるまで混ぜ合わせます。その後、ジップロックなどに入れ、日の当たるところに半日ほど放置し、発酵したら完成です。発酵中はたまに空気を抜かないと破裂することもあるので注意してください。完成したトラップは、目の細かいネットや布袋などに入れ、夕方木にぶら下げておくと、夜中や明け方にカブトムシやチョウなど、樹液を餌にしている昆虫が集まってきます。
ご家庭でも簡単に作れるバナナトラップ。是非お試し下さい(たまにスズメバチも呼び寄せてしまうのでご注意ください)。
写真上:展示ケージ
写真中:捕獲したカブトムシ
写真下:バナナトラップに集まるカブトムシ
〔井の頭自然文化園教育普及係 山口慶〕
(2013年08月02日)
(2013年09月01日、展示終了を追記)
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