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カリフォルニアアシカの出産
 └─上野  2013/06/28

 みなさんが6月と聞いて思い描くことは何でしょうか? 梅雨、ジューンブライド……などがありますが、アシカを担当している者としては、1年に一度のアシカの出産シーズンです。

 上野動物園で飼育しているカリフォルニアアシカたちは、ほぼ毎年6月に出産していて、2013年はチャッピー(17歳)とカコ(19歳)が出産しました。
 現在アシカたちが生活している「ホッキョクグマとアザラシの海」は、2011年10月にオープンしましたが、アシカたちがこの施設で出産するのは今年が初めてです。 

 今回出産した2頭は過去に何度も経験していますが、そんなベテランたちも初めての場所での出産にとても苦労していました。
 出産の際に重要な点は、落ち着いて臨める場所の確保です。アシカたちは出産前になると出産場所を探し始めます。今までは、慣れた環境でのことでしたので安心して見守ることができましたが、今回は担当者もアシカたちがどの場所を選ぶかわからなかったので、4か所ほど候補場所を用意しました。アシカたちがその候補場所を覗いている姿も確認しました。

 チャッピーもカコも数日探した上で、選んだのは2頭とも同じ場所でした。プールの中央にある陸地部分です。そこでは2頭の取り合いが起こり、勝ち取ったチャッピーが6月13日に、別の場所でカコが6月14日に出産しました。カコは初めに気に入った場所が忘れられないのか、出産後に移動し、今では2頭がそれぞれの子と一緒にプール中央の陸地部分で子育てをしています。ときどき、母親同士で吠え合って、今だに場所の取り合いをし、よほど気に入っているのかどうしてもそこへ戻ります。

 子どもたちは日々成長し、行動範囲も広がっています。これからは泳ぎ始め、プール内で活発に動き回るようすが、みなさんの目を楽しませてくれると思います。子どもたちの成長を楽しみにしていてください。

写真上:授乳中のチャッピー親子
写真下:(右奥)カコの子(左手前)チャッピーの子

〔上野動物園東園飼育展示係 齋藤圭史〕

(2013年06月28日)



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