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水族園生まれのコウイカの子ども
 └─葛西  2013/06/14

 葛西臨海水族園では、2013年5月上旬から6月上旬に生まれたコウイカの子どもを「東京の海」エリアの実験展示コーナーで展示しています。同じエリアの「東京湾にもいるこんな生物」水槽で展示している親イカが産んだ卵から孵化しました。

 コウイカは春に産卵期をむかえます。展示水槽では設置したネットに、砂で覆われた乳白色の卵を産みつけました。卵はしばらくするとふくらんで半透明になり、中にいる小さなイカの姿が見えてきます。そして1か月くらいで卵の膜を破って生まれ出てきます。

 生まれた子どもは親と同じ姿をしています。親と同じように体の色を砂模様に変化させてカモフラージュしているので、「どこにいるの?」と気づかれないこともあります。 

 孵化直後の体長は1センチにも満たないほどでしたが、餌のイサザアミを食べてどんどん成長し、5月上旬生まれの子どもは、今では2倍以上の大きさになりました。
 自分と同じくらいの大きさのイサザアミも、餌をとるための触腕をぴゅっと伸ばして捕まえて食べることができます。イサザアミを捕まえる方法はいろいろあるようで、じっと待ち伏せしたり、砂の上を歩いて探しまわったり、ふよふよ泳いで追いかけたりしています。

 ふだんは砂の上でじっとしていることが多いのですが、しばらく待っていると餌を食べるようすを見られるかもしれません。じっくり観察してみてください。

写真上:コウイカの卵
写真下:餌のイサザアミを食べるコウイカの子ども

〔葛西臨海水族園飼育展示係 村松茉由子〕

(2013年06月14日)



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