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ハマトビウオの稚魚を展示しました
 └─葛西  2013/05/31

 客船に乗って海を眺めていると、ときおりトビウオが水面ギリギリを飛んでいくのを見ることがあります。トビウオのなかまは、南日本の沿岸のやや沖合いから外洋にかけて分布し、日本ではおよそ30種類が知られています。

 葛西臨海水族園の特設展「タッチンフィーリン」で、2013年5月18日からハマトビウオの稚魚の展示を始めました。ハマトビウオは、全長50センチにまで成長する、トビウオ科の中では最も大きくなる種類です。春に海表面で産卵し、卵は海をただよいながら、一部はちぎれて流れている海藻に付着します。孵化した稚魚は、プランクトンを食べながら成長します。

 稚魚の飼育で難しいのは、なにしろ頻繁に餌を食べることで、常に餌を与えていないとお腹を空かせてしまい、成長にも影響が出てしまうようです。展示しているハマトビウオの稚魚にも、1日6回程度は餌を与えています。

 孵化してからおよそ1か月たった現在は、3センチほどに成長しました。大きな胸びれと腹びれが白い花びらのように見え、とてもかわいらしい姿をしています。この大きさで、すでに短い距離を飛ぶことができ、光の変化などに驚いて水面からぴょんと飛びます。今は数センチ飛ぶ程度ですが、段々大きくなると、飛ぶ距離も長くなってくるので、驚かさないようなくふうが必要です。

 展示しているハマトビウオの稚魚は、東京都島しょ農林水産総合センター八丈事業所から卵を譲り受け、育てたものです。

写真:花びらのようなひれがかわいらしい稚魚

〔葛西臨海水族園飼育展示係 中村浩司〕

(2013年05月31日)



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