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サル舎、今年の出産状況
 └─上野  2013/04/26

 上野動物園東園サル舎左端、東園食堂側のアビシニアコロブスの群れでは、2013年3月23日の「エオス」の出産に続いて4月8日には「ビクトリア」が出産しました。また、4月5日にブラッザグエノンのカゴも出産しています。

 アビシニアコロブス「エオス」の子は小ぶりで、手足の先端を除いて全身真っ白な毛に覆われて生まれました。アビシニアコロブスの最近の出産では珍しいことです。ビクトリアの子の場合は、頭頂部はすでに黒く、背中もいくらか黒い状態で生まれました。

 コロブスの子は白毛で生まれ、頭頂部から始まって手足背中という順に黒く変化します。顔は目の下部分と耳の外縁から黒くなりますが、ビクトリアの子はすでに黒色化が始まった状態で生まれたことになります。

 生まれたときの体色が真っ白か黒色化が進んでいるかは、体内での成長の度合いの違いと考えられます。エオスの子は成長に影響がない程度に早めに生まれ、ビクトリアの子は体内で十分に成長して生まれたのでしょう。2頭の子を比較するとビクトリアの子が先に生まれたように見えますが、じつは半月ほど後なのです。コロブスの段階的な体色変化を一度に見られるよい機会だと思います。

 ブラッザグエノンの「カゴ」は6産目ですが、産歴がちょっと面白く、1産目はオス「ケイ」、2産目はメス「ハル」、3産目はオス「ユウタ」、4産目はメス「ヒデミ」、5産目はオス「オサム」、今回はお察しの通りメス「マドカ」です。よくここまで雌雄が順番に生まれたものだと感心しているのは担当者だけでしょうか。

写真上:アビシニアコロブス(左)エオス親子(右)ビクトリア親子
写真下:ブラッザグエノンのカゴ親子

〔上野動物園東園飼育展示係 鈴木幸治〕

(2013年04月26日)



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