上野動物園両生爬虫類館では、2013年3月5日から特設展示「両生爬虫類鑑あし」を開催しています。
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「特設展示開催」に関する記事(2013年02月14日)
ふだん常設展示ではお伝えできない事柄を紹介する特設展示は、毎回大変な人気を博しています。今回の特設展示は、いったいどんな内容なのか、ほんの一部ですがご紹介します。
たとえば、ヘンテコな体をしたカエル、名前は「マルメタピオカガエル」を見てください。一般的に、カエルは水がなければ生きていけません。しかしこのカエルが生息しているところは、乾季になると水場が干上がってしまうので、彼らは後肢を使って後ずさりしながら土に潜り、乾燥から身を守ります。
また、通常カエルやイモリはジャンプしたり歩いたりして移動します。しかし、アジアの森にいるトビガエル類は樹の上でくらしていて、木から木へ、あるいは樹上から陸への移動に指の間にある膜を使って空中を滑空します。
カメには陸でくらすものと水中でくらすものがいますが、ウミガメやスッポンモドキなどは完全に水生で、産卵のとき以外は陸に上がることはありません。そのため、水中を移動するときはオール状になった前肢で水をかき、水中を飛ぶように泳ぎます。
この特設展示では、両生類・爬虫類のいろいろな四肢のかたちと、機能的な役割について、実際に生き物を展示して見ていただくだけでなく、確認しにくい足の機能については、動画や骨格標本や詳しい情報パネルなどを用いて紹介しています。
足にまつわる機能を「はねる」「ほる」「およぐ」「はりつく」「のぼる」「とぶ」などに分けて、わかりやすく解説しているのも特徴の一つです。
2013年12月28日まで開催していますので、来園された際には、ぜひ両生爬虫類館にもお立ち寄りください。
写真上:マルメタピオカガエル
写真下:特設展示風景
〔上野動物園両生は虫類館飼育展示係 澤田大地〕
(2013年03月15日)