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カピバラ「ルナ」がやってきました
 └─上野  2013/03/01

 2013年1月16日、上野動物園東園のラマバク舎にメス(1歳)のカピバラが来園しました。以前から飼育している「ソル」(オス、2歳)との繁殖を目指します。「ソル」は、スペイン語で太陽という意味ですが、仲よくなってくれるようにという思いで、来園のメスはスペイン語で月を意味する「ルナ」と名付けました。

 2頭を初めて柵越しにお見合いさせた日から、ルナはソルに対して「クルクル、チチチ」など、小鳥のさえずりのような鳴き声で鳴き、ソルも時折それに応えて鳴いていました。2頭の鳴き交わしは続き、敵対的な行動はまったく見らず、またルナがソルにおしりを向ける行動が見られたことなどから、数回のお見合い後、2月1日から同居を開始しました。
 2頭は同居してすぐに交尾し、2月18日までの間、2,3日おきにマウントが観察されました。ルナがまだ若いため、妊娠するかどうかはわかりませんが、2頭の将来に希望をもつことができました。

 ルナはいつもソルについて歩いています。ソルは後ろにルナがいないと不安になるのか、鳴いてルナを呼ぶことがあります。ソルは臆病なところがあり、ラマと一緒にいると逃げ回っていましたが、ルナが来てからはあまり逃げなくなりました。ルナを引き連れて歩くソルは、以前より少したくましく見えます。

 また、カピバラ2頭は、ラマの「ヒカル」(オス)やアメリカバクの「ラム」(メス)との同居も練習中です。ラマはあまりカピバラを気にせずマイペースに過ごしていますが、バクはカピバラとプールをめぐって緊迫した雰囲気になるときがあります。両種にとって、プールはトイレの役割をもつ大切な場所だからでしょう。逆にこの3頭が、仲よくカシ枝を一緒に食べた後、日向で並んで寝ていることもあります。

 現在は全頭の相性を見ながら、動物の組み合わせと展示時間を決めています。基本的には、9時30分〜10時45分までラマとカピバラ、10時45分〜12時ころまでバクとカピバラ、正午以降はバクのみの展示ですが、動物のその日の相性次第で急な変更もありますので、予めご了承ください。

 カピバラが見られない場合は、子ども動物園にもメスのカピバラ「マオ」がいますので、ぜひ会いに行ってください。

写真上:連れだって歩くカピバラの2頭
写真中:ラマの「ヒカル」と同居
写真下:アメリカバクの「ラム」と一緒に食事中

〔上野動物園東園飼育展示係 村上瑞穂〕

(2013年03月01日)



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