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木曽馬「幸泉」、出産の準備万端!
 └─上野  2013/02/15

 以前の記事で上野動物園子ども動物園での体重測定の話をお伝えしましたが、今回は出産を間近に控えた木曽馬「幸泉」の体重測定についてです。

「動物たちの体重は?」(2013年02月08日)

 馬の体重測定もバースケールという機械を使用します。その機械に板を乗せてから馬を乗せるという使用方法もほかの動物と一緒です。

 しかし、だいぶお腹の大きくなった幸泉の場合、体の重さで板がミシミシと軋む音を出すので、さすがに緊張します。

 幸泉の体重は、先月より10キロ以上も増え423.5キロでした。10キロ以上の増加は「ちょっと増えすぎでは……」と思われるかもしれませんが、これは腹の中の胎児が順調に育っている証拠なのです。馬の胎児は生まれる3か月前から急激に成長します。幸泉は、繁殖のために「木曽馬の里」に里帰りし戻ってきたときは380.5キロでしたが、2012年12月の体重測定以降、毎月10キロずつ増加しており順調な経過といえます。

 もちろん、数値で表れる体重だけではなく、肉付きの具合で健康状態を見ることも重要です。今回妊娠中の管理では、全体的に肉付きが良すぎたので安産のため少しダイエットをしました。その甲斐あり、今では均整のとれた体格を維持しています。

 現在の幸泉は健康状態良好ですが、飼育担当者はこの状態に油断することなく、新たに設置した暗視カメラを駆使し、昼夜を問わず目を光らせたいと気を引き締めています。馬は妊娠期間に個体差が出やすい動物ですが、2013年4月1日が出産予定日です。

 桜が満開な、春光うららかな季節に、木曽の子馬が駆ける姿を楽しみにしてください。

写真:体重測定する「幸泉」

〔上野動物園子ども動物園係 川鍋政孝〕

(2013年02月15日)



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