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ニホンコウノトリ保全に向けて:野田市の施設で飼育開始
 └─多摩  2012/12/14

 以前の記事でお知らせしたとおり、2012年12月4日、小雨の中、多摩動物公園から、千葉県野田市のコウノトリ飼育施設に向けて、ニホンコウノトリのペアが旅立ちました。

「ニホンコウノトリ2羽を野田市に移動」(2012年11月26日)

 移動した2羽は、オスが2005年生まれ、メスが1995年生まれと、10歳離れた姉さん女房のペアで、2011年春と2012年春に子育てをした経験があります。

 非常に落ち着いた2羽で、飼育係が同じ空間に入っても驚いて飛び回ることもなく、スムーズに逃げていきます。来園者から見える場所で上手に子育てをするペアだったので、これなら新しい施設でもきっと繁殖がうまくいくに違いないという思いで野田市に移動しました。

 新たに飼育を開始する野田市の方々が見守る中、9時から捕獲を開始し、輸送箱に入れたあと、10時に動物園を出発しました。輸送には、当園飼育担当者も同行し、万全の態勢で臨みます。箱ごとトラックに積み込まれたコウノトリは、朝の渋滞がまだ残る中央道・首都高速を抜け、12時に無事到着しました。

 その後、簡単な健康診断ののち、新しい施設に放しました。慣れない施設での事故を防ぐため、両翼風切羽をテープで巻いて飛びづらくしてあります。箱からスムーズに出た2羽は、新居のようすを確認するように動き回っていました。

 新しい環境に慣れたころ、翼を抑制しているテープを取り外します。より自由になった2羽が、今後野田市の施設でどのようにくらし、子育てをしていくか楽しみです。なお、野田市コウノトリ飼育施設での一般公開の時期は未定です。

写真上:野田市で放飼場に出すときのようす
写真中:まだ緊張気味の2羽
(以上写真2点は野田市提供)
写真下:放飼場全景

〔多摩動物公園南園飼育展示係 大橋直哉〕

(2012年12月14日)



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