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隠れ名人のウェスタンレッドスコーピオンコッド
 └─葛西  2012/11/09

 葛西臨海水族園「オーストラリア南部」の水槽に、新しくウェスタンレッドスコーピオンコッド(以下スコーピオンコッド)を展示しました。インド洋東部からオーストラリア南西部の岩礁域に棲み、最大で全長40センチになる魚です。スコーピオンというくらいだからサソリに似ているの?と思われるかもしれませんが、岩のような見た目をしていて似ても似つきません。サソリは毒をもつことで有名な生き物です。この魚のなかまには毒をもつ種類が多いため、スコーピオンという名がついています。スコーピオンコッドも背びれなどに毒をもつ危険な魚です。なお、「コッド」はタラのなかまをいうことが多いようですが、スコーピオンコッドは、かさごのなかまです。

 水槽に入れたスコーピオンコッドは、途端に姿をくらましてしまいました。岩のような姿を巧みに利用し、擬岩に隠れてしまったのです。自然の海では、こうして獲物となる魚やエビのなかまなどを待ち構え、傍を通りかかるとバクッと一飲みにしてしまいます。水槽では隠れてしまっても、体が赤いのですぐに見つけられるだろうと思っていましたが、周囲の色に合わせて体色を変化させてしまうため、なかなかそうもいきません。予備水槽では赤い体でしたが、現在は水槽内の擬岩や砂の白っぽい色に似せて、白と赤のまだら模様のようになっています。

 隠れ名人のスコーピオンコッドですが、まったく見えないということはありません。擬岩の傍やオーバーハングした陰の部分で、じっと周りのようすを伺う姿を見ることができます。ご来園の際には、ぜひ探してみてください。

〔葛西臨海水族園飼展示係 細谷有莉沙〕

(2012年11月09日)



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