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子ヤギ「タンバ」登場!
 └─多摩  2012/09/14

 多摩動物公園のヤギ舎は、今年とても賑やかです。2012年3月に「マメタ」、4月には「きなこ」「あん」と、3頭の子ヤギが誕生したことはお知らせしました。

「2年ぶりにヤギ誕生」(2012年05月04日)

 今年はこれで出産はないだろうと思っていたのですが、7月に4頭目の子ヤギが誕生しました。母ヤギは「デコ」。過去に2度出産経験がありますが、2度とも死産という結果で、子育てをしたことのないヤギです。

 7月21日の朝、すでに子ヤギは生まれていました。デコはまったく世話をせず、子ヤギは体が濡れた状態で冷たくなっていました。すぐに動物病院に連れて行き、お湯に入れて体を温め、ドライヤーで乾かした後立たせてみると、しっかりしていたので、まずはデコのところに戻すことにしました。

 このとき、子ヤギの体重を測ってみたところ、1.2キロしかありません。双子のきなことあんでも、それぞれ2キロを超えていたことを考えると、この子は半分の体重しかありません。

 さて、子ヤギをデコの元に戻しましたが、デコは子ヤギに対して無関心です。子ヤギがそばにいても攻撃することはないのですが、子がお乳のところに来ると嫌がり、頭を振ってきます。これでは十分にお乳を飲むことはできないと考え、人工哺乳をすることにしました。

 しかし、親子の関係をなんとか築かせようと、室内で親子だけにしてようすを見ました。最初はお互い離れた場所にいることが多かったのですが、しばらくすると座っているデコの横に子ヤギが近づくようになり、6日後にはおっぱいを吸っているのを確認、21日後にはデコの背中に子ヤギが乗って休んでいました。閉園後や休園日に親子を外に出し、ほかのヤギたちと一緒にしてみると、子ヤギはちゃんとデコのそばに付いて、親子の認識も築かれたようです。

 生後1か月で親子は外に出て、ほかのヤギたちと一緒に過ごすようになりました。 

 子ヤギは「タンバ」と名付けました。2012年生まれの子ヤギたちには「豆」にちなんだ名前をつけていますが、タンバは黒豆で有名な丹波から取りました。生まれたときは、どうなるかと心配なほど小さかったタンバですが、今では3キロを超え、しっかりと乾草を食べるようになりました。かわいい盛りの子ヤギたちに、ぜひ会いに来てください。

写真上:デコのお乳を吸うタンバ
写真下:ほかの親子と一緒、左がタンバ

〔多摩動物公園南園飼育展示係 土屋泉〕

(2012年09月14日)



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