ニュース
アルパカとラマのサマーカット
 └─上野  2012/05/25

 過ごしやすい気候になってきた5月初旬、上野動物園子ども動物園のアルパカとラマの毛刈りをおこないました。もう毛を刈るの? と思われた方もいらっしゃると思います。アルパカやラマは高い山に住んでいるため東京の暑さには耐えられないのです。アルパカは、すでに3月後半から水浴びを始めていたほどです。

 アルパカは、今年で3歳になりますが初めての毛刈りです。

 毛刈りは大型バリカンを使っておこないます。大きいだけあってスイッチを入れるととても大きな音が鳴り響きます。その音にびっくりしてバタバタと暴れてしまい、とても刈れる状態ではありませんでした。

 そこでアルパカを横たわらせて毛を刈ることにしました。しかし体を横に倒すと動物に負担がかかるので、短時間で終わらせなければなりません。そこで寝かせた状態で、お腹や足などを先にバリカンで刈り、頭は立たせた状態で、だましながらハサミで地道にカットしていきました。

 休憩をはさみながら3時間かけて無事刈り終わり、刈る前と刈った後ではまったく別の生き物のようになってしまいましたが、これで快適に夏を過ごせそうです。

 一方ラマは、毎年毛刈りをしているため慣れたもので、すいすいと刈っていくことができました。時間にすると40分ほどで全身を刈り終えることができました。刈っている間ご機嫌ななめだったラマも、終われば「すっきり」と言わんばかりの顔をしていました。

 今回4種類の動物の毛刈りをおこない、アルパカからは5キログラム(3年分なのでたくさん採れました)、ラマからは1キロ、ミゼットホースからは2キロ、ヒツジからは1キロの毛を刈りました。この毛を洗って、紡ぎ、編んでセーターやマフラーなどを作ることができます。中でもアルパカの毛は最高級品です。

 ただ子ども動物園の毛刈りは、動物から毛をもらうためだけではなく、東京の暑さを乗り切るためのとても大切なことなのです。

写真上:アルパカの毛刈り前
写真中上:毛刈り後
写真中下:ラマの毛刈り前
写真下:毛刈り後

〔上野動物園子ども動物園係 渡邊葵〕

(2012年05月25日)



ページトップへ