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オブトアレチネズミが仲間入りしました
 └─上野  2011/11/26

 2011年11月8日から上野動物園小獣館に「オブトアレチネズミ」が仲間入りしました。その名のとおり、尾が太い、アレチネズミのなかまで、アフリカのサハラ砂漠北部に生息しています。

 体重はおとなになると100グラム程度になるようですが、今回のネズミたちは生後2か月を過ぎたころで、まだ50グラムくらいです。

 尾がマカロニのようにぷっくりと膨らんでいることから、マカロニマウスの別名もあります。この尾は栄養を蓄えることができ、砂漠という過酷な環境で生き抜くための大事な役割を果たしています。

 性格はおっとりしているようで、眠っているときに手のひらに乗せても起きないほどです。

 小獣館にはオス2頭、メス3頭がやってきたのですが、展示と繁殖のために、まずペアを作ることにしました。

 オスの「マンジュウ」「チビタ」、メスの「ジャイコ」「マルコ」「キナコ」をそれぞれオスメス1頭ずつ同じケースに入れてみました。

 チビタとキナコはすぐに仲良く寄り添いましたが、マンジュウとジャイコは「ピーピー!」と小さく甲高い声で鳴きながらとっくみ合いのケンカ。ネズミの相性は第一印象で決まることが多いので、すぐにこの2頭は引き離しました。その後、マンジュウはマルコとも大ゲンカです。では最後のメス、キナコとはどうかというと、マンジュウが「ピルピル〜」と鳴きながら尾を震わせてキナコににじり寄るのですが、キナコのほうが「なんでやねん」とでも言うように前足でマンジュウの頭をぴしっと押さえます。相性がいいのか悪いのかいまひとつ分かりません。

 結局チビタとキナコをペアに戻し、バックヤードで繁殖を目指すことになりました。マンジュウは婚活に失敗して今は一人ぐらし。ジャイコとマルコは同居させて小窓で展示しています。

 夜行性なので日中はほとんど眠っていますが、平和な寝姿とマカロニしっぽは一見の価値あり。メロメロになること間違いなしの動物です。

〔上野動物園西園飼育展示係 宮田桂子〕

(2011年11月26日)



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