2010年12月から葛西臨海水族園「海藻の林」の水槽で展示を始めたミズダコは、ダイバーに抱きついたり、餌の入ったビンのふたを開けたり、とてもユニークな話題を提供してくれました。
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「ダイバーに襲いかかるタコ?」(2011年01月14日)
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「ビンのふたを開けて餌を食べるミズダコ」(2011年03月11日)
・東京ズーネットBBの動画
「『海藻の林』にミズダコ登場」(2011年01月21日撮影)
このタコは2011年7月8日に死亡し展示がとぎれていましたが、8月に新しいミズダコが入り、その姿がよく見られるようになりましたのでお知らせします。
(2012年11月29日追記:ミズダコの展示は2012年11月13日をもって終了しました。)
新しいタコは小樽水族館の協力により北海道からやってきました。体重は約10キログラムで、前回のミズダコの半分程度ですが、腕を伸ばすと大人の背丈ほどあり、水槽の中を動き回るようすは迫力があります。
しかしミズタコはふだん岩陰などを巣穴としており、水槽の中にちょっとしたすき間や物陰があると、柔らかなからだをじょうずに使って見事に隠れてしまいます。「海藻の林」水槽には来園者から死角となる場所があり、前回のタコはそこを巣穴としてしまい、餌の時間以外あまり姿を見ることができませんでした。来園者から見やすい場所に誘導しようと、石を積み重ねて巣穴をつくりましたが、一度落ちついた場所からは移動してくれませんでした。
そこで今回はタコを水槽に入れる前に、居心地のよい場所とそうでない場所を水槽内につくることにしました。そのために利用したのが、タコがイソギンチャクの毒を苦手としている性質です。ヤドカリが自分の殻についているイソギンチャクで敵から身を守っているという話をご存じの方も多いことでしょう。
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「イソギンチャクの毒を利用するヤドカリ」
まず前回石を積み重ねてつくった巣穴のまわりのイソギンチャクをはがしました。それとは逆に、隠れてほしくない場所に、はがしたイソギンチャクを置きました。その後にミズダコを水槽に入れたところ、当日は水槽内をウロウロしていましたが、翌日には思惑どおりの巣穴に入ってくれました。今では、吸盤がたくさん並んだ腕やひだひだのついた胴体、海水を出し入れしながら呼吸しているようすなどを観察することができます。
この次は、以前のタコのように、ビンのふたを開けて餌を食べるようすをお見せできるように馴らしていきたいと思います。
写真上:「海藻の林」水槽、右下の子どもがのぞいているあたりがタコのいる場所
写真下:巣穴の中のミズダコ
〔葛西臨海水族園飼育展示係 金原功〕
(2011年09月23日)