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カイツブリのひなが孵化しました
 └─井の頭 2011/05/27

 井の頭自然文化園水生物館でカイツブリのひなが孵化しました。前回の孵化が2010年5月でしたので、1年ぶりのひなの誕生になります。

2010年の孵化のニュース

 1年ぶりといっても、カイツブリのペアは、ほぼずっと擬卵(本物に似せて作った卵)をあたため続けていました(一時中断したこともあります)。同じ水槽に、2010年生まれのひなが2羽同居しており、さらにたくさんのひなが生まれても餌の確保や収容場所に困るため、擬卵を抱かせることで繁殖を抑制していたのです。

 2010年生まれの2羽は大阪の海遊館にもらわれることに決まり、新たなひなの誕生が可能な状態になったため、擬卵をそろそろ取り除こうかと考えていた矢先のことです。巣の中にはそれまで5個の擬卵を入れていましたが、5月2日の朝、そのうちの1個が本物の卵と入れ替わっていることに気付きました。擬卵1個は巣の外に落としたようです。その後も1~3日ごとに1卵ずつ産み足していき、5月8日には本物の卵が5個になりました。

 さて、最初の1羽が孵化したのは2011年5月23日、2羽目の孵化は2日後でした。ひなは親鳥の背中の上、翼の下にいることが多いのですが、ときどき翼から小さな顔を出したり、また外に出てきて水面の上に浮かび、親から餌をもらったりするようすが見られます。少し時間をかけて観察してみてください。

 親鳥はさらに本物の卵を3つ、擬卵を2つあたためています。順調にいけば、全部で5羽のひなが見られるはずです。ひなの成長はとてもはやく、孵化後2週間ぐらいで、親の背中には入りきらないほど大きくなり、ほとんど水面で過ごすようになります。興味深い行動が見られるのはほんのわずかな間ですので、お早めにどうぞ。

写真上:カイツブリの親子
写真下:親の背中に乗るひな


(2011年05月27日)



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