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ニホンコウノトリ、今年も誕生
 └─多摩  2011/05/12

 多摩動物公園では、2011年も3月と5月にニホンコウノトリのひながあいついで孵化しました。すくすく育つ様子をぜひご覧ください。

(※5月15日追記──5月に生まれた2羽のうち、1羽が5月14日に死亡しました。また、もう1羽も5月15日の時点で弱っていたため、育雛舎に移し、仮親には擬卵(本物に似せた卵)を抱かせています。なお、3月生まれのひなは元気に育ち、かなり大きくなりました。)

(※5月20日追記──上記5月生まれのうち、もう1羽も5月18日に死亡しました。調査の結果、2羽ともメスであり、死因は5月14日死亡個体が肺炎・衰弱、5月18日死亡個体は衰弱でした。なお、仮親はいまも擬卵を抱いています。)

◎孵化したコウノトリ

 孵化日:2011年3月25日(金)
 誕生数:1羽(性別不明)
 両 親:父親J393 (愛称)「紫」
     母親J190 (愛称)「青緑」

 孵化日:2011年5月3日(火)、5月4日(水)
 誕生数:2羽(いずれも性別不明)
 両 親:父親J291 (愛称)「灰」
     母親J52  (愛称)「黄」

◎繁殖までの経過と公開について

 「紫」・「青緑」ペアが、2011年2月17日から23日にかけて4卵産卵しました。そのうちの3卵が有精卵で、多摩動物公園の繁殖計画にもとづき、1個をペアに戻し、2個を孵卵器に入れました。ペアに戻した卵が孵化しなかったため、孵卵器で嘴(はし)打ち※を始めた1個を巣に戻し、様子を見守っていたところ、3月25日に孵化しているのを確認しました。「灰」・「黄」ペアは、3月30日から4月3日にかけて3卵産卵し、すべて有精卵でした。そのうちの2個を当園の繁殖計画にもとづき、育て上手な仮親に預けて、5月3日、5月4日にそれぞれ1羽ずつが孵化しました。いずれも性別は不明です。孵化したひなは、現在、3羽とも元気に育っています。

 ※嘴打ち:雛が卵から出るために、嘴で卵殻の内側から卵殻に穴を開けることをいいます。


◎多摩動物公園でのニホンコウノトリの飼育について

 多摩動物公園では、1988年に日本で最初となる飼育下でのニホンコウノトリ繁殖に成功して以来、順調に繁殖が続いており、今年で連続24年の繁殖成功となりました。これまで169羽のひなが孵化しており、日本の飼育下でのニホンコウノトリ個体数維持に大きく貢献しています。豊岡市にある兵庫県立コウノトリの郷公園で実施されている自然放鳥(コウノトリを自然に帰す活動)に個体を提供するなどの協力もおこなっています。

 現在、多摩動物公園のニホンコウノトリは、オス25羽、メス28羽、そして今回の3羽で計56羽。日本国内では、2010年末のデータによると、13の施設で、オス90羽、メス92羽、不明1羽、計183羽が飼育されています。


・東京ズーネットBB「よみがえる野生の翼」(どうぶつえんシアターVol.03)

(2011年05月12日)
(2011年05月15日)
(2011年05月20日)




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