※追記──残念ながら、お知らせしたミツクリザメは2尾とも死亡しました。死亡日は、加圧水槽の個体が2011年2月3日、展示水槽の個体は2月7日です。
なお、2011年2月26日(土)開催の「深海ボトルウォッチング」にて、貴重なミツクリザメの標本を見ていただく予定です(午前10時30分から正午)。←終了しました!
2011年2月2日(水)、葛西臨海水族園の深海生物採集でお世話になっている千葉県富津市金谷の漁師さんから、「ミツクリザメが捕れたぞ!」との連絡がありました。
世界的に捕獲例が少ないサメですが、東京湾の深海部では数百もの標本が得られています。最近の深海魚ブームで、「ゴブリンシャーク」という名前でテレビでも紹介されることが多くなりました。
このサメの特徴はなんといってもあごの構造。普段はふつうのサメとちがわない顔つきですが、映画のエイリアンさながら、両あごを大きく下に突き出すことができます。これはえさを捕えるときの行動と考えられていますが、そのようすはまだ誰も見たことがありません。
私たちも何度か展示に挑戦していますが、大変飼育がむずかしく、えさを食べるどころか、葛西臨海水族園での最長飼育記録はわずか14日なのです。
今回持ち帰ることができたミツクリザメは、刺網によって水深270~300メートルで採集された全長1メートル前後のオス2尾です。1尾は水圧がかけられる特殊な水槽に収容し、飼育試験をおこなっていますが、もう1尾は「深海の生物3」の水槽で展示しています。
ミツクリザメが泳ぐ姿はめったに見ることができません。この機会にぜひごらんください!
・過去に捕獲・展示したミツクリザメのニュース(上が旧、下が新)
2007年01月26日「
生きた化石、ミツクリザメ展示」
2007年01月動画ニュース「
ミツクリザメを捕獲!」
2007年04月05日「
ミツクリザメ再捕獲」
2009年01月18日「
生きた化石、ミツクリザメ公開中 死亡しました」
2009年01月動画ニュース「
ミツクリザメ展示!」
〔葛西臨海水族園調査係 多田諭〕
February 2, 2011, two male goblin sharks (
Mitsukurina owstoni) were caught alive by fishermen in out of Tokyo Bay. Tokyo Sea Life Park received those sharks, and has put one specimen on exhibit, and the other in a compression tank.