ニュース
きれいな花にはカマがある? ハナカマキリの親子展示
 └─多摩  2011/01/28

 多摩動物公園昆虫園本館2階の海外の昆虫コーナーで、2010年の夏からハナカマキリを展示していますが、昨年11月頃から交尾と産卵を始め、12月末から2011年1月にかけて、無事たくさんの幼虫が生まれています。

今までは、産みの親であるメスの成虫だけの展示でしたが、幼虫との違いを見てもらおうと、1月20日から幼虫も10匹ほど展示しています。

 ハナカマキリは、白い体に平たく花びらのようになった中脚と後脚で、ランの花に姿を似せる擬態をして、気づかずに花に寄ってくる昆虫を捕食している昆虫です。この「花に姿を似せている」ということは有名ですが、じつは生まれたばかりの幼虫や、翅が伸びた成虫はあまり花らしくありません。もっとも花らしい姿をしているのは、一度脱皮した後の2令から終令までの幼虫たちなのです。よく写真や映像で紹介されている姿も、たいていこの時期の幼虫が写っています。

 展示した幼虫たちも3令から4令なので、とてもきれいな姿をしてはいるのですが、まだ体長が1.5センチメートルくらいしかなく、あまりに小さいので、ちょっと見つけづらいかもしれません。明るく高い場所や白い色が好きな昆虫なので、よく天井やケースの中の造花につかまっています。根気よく探してみてください。

〔多摩動物公園昆虫園飼育展示係 渡辺良平〕

(2011年01月28日)



ページトップへ