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ヨツユビハリネズミのあかちゃん
 └─井の頭 2010/11/19

 井の頭自然文化園資料館で展示しているヨツユビハリネズミに2010年10月23日、2頭のあかちゃんが誕生しました。生まれた直後は、人間の親指の先ほどの大きさで、体重もおよそ10グラムくらいしかありません。

 生まれたてのあかちゃんには針が生えているでしょうか。これは誰もが疑問に思うことだと思います。今回、出産に気づいたときにはすでに白く柔らかい針が生えていましたが、生まれた直後の針は体液につつまれており、この体液が1時間ほどで吸収されて、針があらわれるのです。

 目も耳の穴も開いておらず、毛も生えていないピンク色の体は、いくらあかちゃんとはいえ、とても「かわいい」とはいえない姿でした。しかし母親を呼ぶときには「ピーピー」と鳥のひなのようなかわいい声を出し、面倒見のいい母親は、その声に応じて授乳の体勢をとっていました。

 あかちゃんの成長はとても早く、日に日に針も硬くなり、生後10日目には体重は30グラムになりました。体重測定の後、1頭のあかちゃんが、必死に背中をなめる行動を見せました。これは「唾液ぬり」と呼ばれるハリネズミ独特の行動で、はっきりとした理由はわかっていませんが、見知らぬにおいをかいだときにするともいわれています。

 生まれてからしばらくの間は静かな裏側で飼育していましたが、生後2週目には目も開き、あかちゃんも母親も落ち着いたので、展示を再開しました。現在はだいぶハリネズミらしく成長しましたが、まだまだあどけなさが感じられます。ハリネズミ一家にぜひ会いにきてください。

写真上:生後0日齢
写真中:生後6日齢
写真下:生後14日齢

〔井の頭自然文化園飼育展示係 高橋美紀〕

(2010年11月19日)



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