上野動物園小獣館地下のカヤネズミと1階のミーアキャットに子どもが生まれました。
カヤネズミは、ススキを口でほぐして編んだ球形の巣内で出産し、子どもを育てます。そのため、出産日がわかりません。子どもがある程度大きくなり、自分から巣を出て歩き回る時期になって初めて出産したことがわかります。
2010年は8月17日と9月15日にそれぞれ3頭ずつ、合計6頭の誕生が確認されました。子どもは毛色が灰色で、成獣よりもひとまわり小さい体をしています。成獣は毛色が赤色をしているので、よく見ていただければ子どもと成獣の違いがわかると思います。
ミーアキャットは9月6日に5頭を出産しました。朝、母親が巣箱に入ったまま、中から子の鳴き声が聞こえてきたので出産したとわかりました。妊娠期間は77日でした。
同じ母親から今年3月に生まれたメスの子が、今回生まれた子どもの世話をしたがり、よく母親のもとから子どもをくわえてもって行ってしまいます。まだ子育てに不慣れなそのメスが赤ちゃんの頭をいろいろな場所にぶつけてしまっていたようで、残念ながら子ども3頭が脳挫傷で死んでしまいました。
しかし残りの2頭は元気に育っています。毛もかなり伸びてきて、もうそろそろ目も開くころです。まだ、巣箱の中にいることが多いのですが、たまに外で母親からお乳をもらったり、「ギャーギャー」鳴きながら歩き回る姿が見られます。生後1か月くらいすると、巣箱から離れた場所にも自力で歩いていけるようになると思います。
子どもの成長は早く、すぐに大きくなってしまいます。カヤネズミとミーアキャットの子どもが小さいうちにぜひごらんください。
写真上:球巣から顔を出したカヤネズミ
写真下:ミーアキャットの子どもたち
〔上野動物園西園飼育展示係 下重法子〕
(2010年09月24日)
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