井の頭自然文化園水生物館で生まれたカイツブリが、繁殖賞を受けたことは
こちらのニュースでお伝えしました。
今回は2009年9月に2回目の繁殖で生まれたカイツブリの話題です。
このときは3羽が孵化して成長しました、親も繁殖に慣れたのかあまり激しくひなを追い回すことがなく、また、ひなたちは追われたとしても逃げて陸上に避難することを覚えるなど、“たくましく”育ちました。
育ったひなのよい行き先をさがしていたのですが、今年5月24日上野動物園に雄1羽を、6月25日には北海道「千歳サケのふるさと館」に雌雄1羽ずつ輸送しました。どちらの施設でもすでに一般公開されています。
とくに北海道でのカイツブリの飼育展示はおそらく初めてのことと思いますが、千歳サケのふるさと館で一般公開したときは、地元テレビ局の取材が何回かあったと聞いています。
水生物館では生きたモツゴ(クチボソ)を主な餌として与え、カイツブリが潜水してモツゴを追いかけるダイナミックな光景が人気です。今は北海道の川にもコイやフナの放流に混じってモツゴもすみついているそうですが、もともとはいませんでした。そのため、動物を送り出す前に飼育方法や餌の情報を先方に伝え、現地では、入手できる生きたウグイの小さいサイズを手配して与えているそうです。水生物館では与えなかった生きたスジエビも与えられて、喜んで食べているとのことです。
こういう配慮に応えて、長く北海道の人たちに親しんでもらえるよう願っています。
※カイツブリの話題は
「千歳サケのふるさと館」ホームページでも紹介されています。
写真上:「千歳サケのふるさと館」と川に上るサケを捕獲するインディアン水車の展示。この水車は8月の後半にふるさと館前の千歳川に設置されることがある。
写真下:「千歳サケのふるさと館」で公開されたカイツブリ
〔井の頭自然文化園水生物館飼育展示係 浅井ミノル〕
(2010年08月27日)