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マヌルネコの子どもが巣箱から出てきました
 └─上野  2010/06/18

 上野動物園で2010年5月4日にマヌルネコが3頭生まれ、巣内のようすをモニター画面でお見せしていることを以前お伝えしました(ニュース)。

 その後、モニターをつうじてマヌルネコの成長具合がわかってきました。眼が開いていなくても、子どもは光の差す方向、つまり出入口がわかるようで、母親が採食のために巣を離れたとき、不用意に巣箱から出てくることはありませんでした。

 3頭とも眼が開いたのは生後23日目で、お腹を地面に擦らずに歩けるようになったのも同じ日でした。今、子どもたちの虹彩は青色をしていますが、生後1か月半ほどで親と同じ黒っぽい色になります。

 「お座り」の姿勢ができるようになったのは生後29日目の午前中です。この日の午後、2頭が巣箱から出ているところを初めて確認しました。その翌日は巣箱内にこもっていましたが、その翌日は無事3頭そろって出てきました。

 子どもたちは巣箱内でおたがいの体に登ったり、ひっかいたり、転がったり、自由奔放に遊んでいましたが、巣箱から出ると、生まれたての子鹿のようにヨタヨタプルプルしています。やはり見知らぬ世界は子どもなりに緊張するのでしょう。

 今では1日に1回は巣箱から出てきて、探検モードで動いています。出ている時間も徐々に長くなってきているので、部屋に慣れてイタズラを始めるのは時間の問題でしょう。なお、3頭を見分けるには尾の縞模様がわかりやすいと思います。

 メス親「かあちゃん」の毛並みがとても悪く見えますが、3頭同時に育てるとやはり授乳量も多くて大変なようです。そのため、母親には通常の餌に加えて、さらに2回ほど餌を与えているのでご安心ください。いくら与えても太らないので、子どもが飲む母乳の量は相当なものと思われます。

 オス親の「とうちゃん」ですか? とうちゃんはいつもどおり、かあちゃんからたまに威嚇されながら、子どもたちを見守っています。

 巣箱内観察用モニターの映像は、晴れた日の午前10時から午後2時くらいによく見えます(太陽光が差し込むので、明るくて見やすくなります)。

写真上:モニターで子どもたちを確認
写真中:恐る恐る巣箱を出た子どもたち
写真下:6月16日初めて馬肉に興味を示した

※参考映像:2007年に産まれたマヌルネコ(動画)

〔上野動物園西園飼育展示係 藤岡紘〕

(2010年06月18日)



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