2010年５月16日、マダガスカルトキ４羽を埼玉県こども動物自然公園に移しました。この４羽は、2008年８月８日と2009年６月７日生まれのオス２羽、および、2009年５月29日と６月５日生まれのメス２羽です。

　これまでマダガスカルトキを飼育している日本の施設は上野動物園だけでした。2008年には繁殖に成功し、５羽の子どもたちが育っています。

　マダガスカルトキの繁殖は、１つのケージで１ペアだけを飼育するのがコツです。上野動物園では水禽舎でケージを２つ使って２ペアを飼育し、いずれのペアも繁殖しています。

　マダガスカルトキはショウジョウトキなどとはちがって、１つのケージに数多くのペアを収容することができません。そこで、さらなるペア作りと危険分散のための施設を探していたところ、埼玉県こども動物自然公園に協力していただけることになりました。

　マダガスカルトキが繁殖できるようになるまでには、孵化後約２年かかります。今回の個体はまだ若く、ペアにはなっていませんが、来年には繁殖できるのではないかと期待しています。

　上野から出発した個体が新しい環境に早く慣れ、埼玉で活躍することを願っています。

＊写真の３羽は奥が2009年５月29日生まれ、中が６月５日生まれ、手前が６月７日生まれ。

〔上野動物園西園飼育展示係　神門英夫〕

（2010年05月29日）