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沖縄からオオコウモリと植物が到着
 └─井の頭 2009/12/24

 今年(2009年)3月のニュースでお知らせしたとおり、井の頭自然文化園の熱帯鳥温室では、沖縄県からやってきたオリイオオコウモリとアオバズクを展示しています。

 これらの動物たちは沖縄県内で事故などに遭い、野生に帰れなくなった動物たちです。動物が被害を受ける交通事故の増加、それにともなう保護動物の増加、収容施設の不足の問題などを知っていただくために、沖縄県の協力によって展示を始めました。

 今回は、その中のオリイオオコウモリの話題です。沖縄からやってきた個体(オス)は、2008年5月、事故で死亡した母親に抱きついているところを保護され、人の手で育てられました。そのため、人にとても馴れています。通りかかるお客さんにも興味津々で、日中も金網にへばりついてクリクリした目で人をながめています。

 また、初めはロープを伝いながら歩いてばかりでしたが、今では特訓の成果もあり、狭い部屋の中をじょうずに飛ぶことができるようになりました。係員を追って歩いたり、飛びついたりするため、日中でも活発に動くコウモリを間近で観察できる、めずしい展示になっています。

 そんなオオコウモリに2009年12月20日、沖縄からお嫁さん候補がやってきました。今回は、沖縄こどもの国で生まれたメス2頭です。さらに、オオコウモリが大好きな植物であるガジュマルとイヌビワもいっしょにいただくことになりました。

 野生に帰れなくなった個体が動物園で子孫を残し、さらに、動物園での展示を通じて現地の自然への関心が高まれば、こんなに嬉しいことはありません。

 しばらくは健康チェックのために検疫を続けます。また、おたがい行き来できない状態でお見合いをさせますので、同居はまだ先になりますが、あせらず成功させようと思っています。

 寒い冬ですが、暖かい温室の中で、のんびりオオコウモリを間近で観察し、遠い沖縄に思いを馳せてみませんか?

〔井の頭自然文化園飼育展示係 木崎恒男〕

(2009年12月24日)



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