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ショウガラゴ育ってます!
 └─上野  2009/09/25

 2009年9月12日朝、上野動物園小獣館の地下を巡回しながら、ショウガラゴとトビウサギが同居している部屋まで来ると、いつもどおりショウガラゴが枝から枝へ跳び回り、トビウサギは巣穴の中で眠っていました。ショウガラゴの状態を確認しようと巣箱を覗くと、小さい顔が巣箱の奥の方に見えました。ひさしぶりに見るショウガラゴの赤ちゃんです。上野動物園でショウガラゴが生まれたのは、2008年4月28日以来です。

 ショウガラゴは1回の出産で2頭を産むことが多いようです。前回も2頭を産みましたが、今回はどうやら1頭のようです。出産後数日、母親は赤ちゃんを口でくわえて運び、枝の上や木のうろなどに置くことがあります。今回見つけた赤ちゃんも、母親に置いていかれて、ひとりで留守番をしているようです。

 9月14日までは赤ちゃんが巣箱の外にいるのを確認できませんでしたが、15日の昼ごろ、赤ちゃんが巣箱のそばの枝につかまり、おぼつかない足取りで歩いているのを確認しました。その後、親と同じようなジャンプをするようになり、活動範囲が広がってきました。

 生後1週間経って、赤ちゃんが枝から手(足?)をすべらせて、約60センチ下の擬岩に落ちました。ガラス越しに観察していたのですが、「バン!」という音が聞こえるほどでした。赤ちゃんはすぐ起き上がり、急いで降りてきた母親にくわえられ、連れて行かれました。その後、具合の悪いようすはなく、一安心しました。

 最近、子どもはだいぶしっかりしてきました。枝から落ちることもなくなり、行動範囲もさらに広がっています。とはいえ、まだ親にくわえられて運ばれたり、巣箱の中でひとり遊びをしたりしていることもあります。また、母親に体をなめられて大切に育てられていますが、他の個体からもなめられて毛づくろいを受けるなど、群れ全体から大事にされています。

 夕方になると巣箱に入ってしまうことが多いのですが、午前中は外で活動していることが多いようです。ぜひ赤ちゃんが小さいうちに会いにきてください。

写真上:出産当日(2009年09月12日)
写真中:親にくわえられて運ばれます
写真下:会いにきてね……

・東京ズーネット「どうぶつ図鑑」ショウガラゴ

・東京ズーネットBB、動画「ショウガラゴ」(2006年01月撮影)

〔上野動物園西園飼育展示係 井上智右〕

(2009年09月25日)



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